鏡面研磨日記

1981.04.20

反射鏡を磨いてみよう。どうせなら150mm がいいが、、、F 5 くらいにして星空散歩に。

1981.04.27

1 日中、鏡面自作関係の記事を読み散らかしている。(註:反射望遠鏡の作り方 木辺成麿著:誠文堂反射望遠鏡の作り方 星野次郎著:恒星社本格派のための反射望遠鏡の作り方:誠文堂その他多数の文献を参考にした)

1981.04.28

大阪・瓦屋町のキング商会(註:現在のテレスコハウス)ヘ出かけ、100mm パイレックスキットとフーコーテスターを購入した。(註:苗村研究所のキットと思われる)

1981.04.29

フーコーテスターを組み立てる。所用約 3 時間。

【アクリル製フーコーテスター】

左の丸い部分に豆球が入っていてピンホールを空けたアルミ箔を通して鏡面を照らす。箱の中に電池ボックスとスイッチが内蔵されている。右には剃刀の刃を張り付けた板が前後左右に動き、動いた距離はバーニアで読み取る。

1981.04.30

以前から持っている反射鏡をテストしてみた。
スカイルック 110 はきれいなパラボラ、ダウエルの 100mm F4 鏡 2 面は偏球と強い双曲面であった。

1981.05.05

反射鏡を磨き始める。作業時間 1405 - 1745。荒ズリは 150 番で行い、周辺部がスリガラスとなる頃、焦点距離が目的に近い 650 - 700 ミリとなった。
盤の角とりは 240 番。荒ズリの実働時間は約 2 時間であった。はじめに 1 / 2 振り分け法で数分、最後の 10 分間を 1 / 4 振り分け法で、あとの全てを回転法で行った。(回転法は作業時間を短縮するため。1 / 4 振り分け法は鏡と盤のカーブを一致させるため。)

【10 センチ砂ずり】

1981.05.06

本日の作業 1720 - 1900。
240 番にて 1 / 4 運動。途中回転法を少し用い、最後はまた 1 / 4 運動。f.l. 670 - 680mmくらい。砂穴がわずかに残っている。

1981.05.08

本日の作業は 240 番にて盤の角取りのみ。

1981.05.09

240 番にて 40 分。f.l. は 630 - 640mm。
500 番にて反転ズリ 30 分、順ズリ 45 分。
1000 番にて反転ズリ 30 分、順ズリ 40 分。
1500 番にて反転ズリ 30 分、順ズリ 40 分。

これで砂ズリはすべて終了した。
鏡面のくいつきもなく、まずは順調である。f.l. は 650mm に延びていた。

1981.05.11

1 kg の台所用ハカリ、絵筆 2 本、スピンドル油購入。

1981.05.13

研磨台完成。ハンドルは椅子の足を切ったものを利用。底径 34 ミリ、上端径 30 ミリの円錐形である。
ピッチ溶解用に大学のゴミ捨て場から古いヒシャクを拾って帰る。

1981.05.14

ピッチ盤作りを試みるが、3 回失敗してやる気を失う。
硬さの具合がよくわからない。また、盤の径が主鏡径より若干大きいためピッチ盤の周囲に盛り上がりができてしまう。

【左より松脂、アスファルト、セリウム等】

【ピッチ盤とハンドルを付けたミラー】

【磨き風景 水に溶いたセリウム容器と絵筆】

1981.05.16

ピッチ盤完成。上出来とはいえないが何とか使えそうである。ただ、硬さが全くわからない。

1981.05.18

いよいよ磨きにはいる。電気ストーブを用いた型取りの後約 1 時間磨く。肉眼的にはほぼ完全にツヤが出ているし、満月を白紙に投影することもできるが、ルーペではまだスリガラスである。さいわい、砂目の残り具合はほぼ一様である。フーコーテストでは典型的な偏球であった。

1981.05.19

約 4 時間磨く。周辺にまだ砂目が残っているほか、1000 番あるいは 500 番くらいの砂穴が散在している。初作ではこんなものか。面は美しい偏球で、全周に光輪が出てきた。スリークが一本生じたがこれは消した。短く深い傷は数多い。

1981.05.21

気温が 25 度まで上がってしまった。ピッチ磨きに支障が出るかも知れない。

1981.05.23

約 2 時間全面研磨のあと整型に入ったのが 18 時頃で、完成が 23 時であった。

パラボラらしき影が見える。修正量は理論値の 1.95mm に対して実測値が 2mm なので、パラボラに近いと思われる。全周には光輪が見えるが、ひょっとすると幅狭アップかもしれない。

1500 番の砂穴が鏡周 1 - 2 ミリに渡って残存。500 - 1000 番の砂穴も全面に散在しているがほかに大きなキズはない。初作としては上出来と思ってよいのでは?

【テストされるミラーの様子】

本棚に立てかけただけ。

【フーコー像撮影法】

テスト像を撮影する様子。レンズは 135 ミリ。

【フーコー像】

荒ズリ # 150 回転法にて約 2 時間
    # 240 1 / 4 運動にて約 2 時間
中ズリ # 500 反転ズリ 30 分 順ズリ 45 分
    #1000 反転ズリ 30 分 順ズリ 40 分
仕上げ #1500 反転ズリ 30 分 順ズリ 40 分
ピッチ磨き :7 時間
整型    :5 時間

反省点など

240 番以降は砂目を残さぬよう注意すること。

ピッチ流し込みの前にハンドルを付けておいたほうがいい。

10cm ではピッチは硬すぎるくらいがいい。10 センチでは型合わせは容易である。

「リンゴの皮むき」はピッチが暖かいうちに薄いナイフと石鹸水を用いてじっくりと。
溝切りは切るというより欠き削るといった感じである。

ピッチ溶解は遠火で。

ピッチ盤はサンプルと比べても明らかに硬めであったが結果は良好であった。磨きは初めの 5 時間が気温 21 度、あとの 2 時間および整型中は 25 度であった。

フーコーテストは難しいが何度もやっているうちにわかってくる。

1981.07.24

住之江の NTK へ出向き、鏡面のメッキを依頼する。


その後、この鏡は NTK に副鏡とそのセルを作ってもらい、木製四角筒に仕上げた。

木製四角筒を組み、主鏡は同じ板材を使ったセルに木ねじとゴムパッキンで直接押さえつけている。

セルの鏡筒への取り付けは木ねじのみ。鏡筒とセルの間に紙を挟んで光軸調整装置は省略

接眼部分にはペンタックスのヘリコイド接写リングとニコン用アタッチメントを用いて直接焦点撮影が容易に行えるようにし、眼視の目的にはカメラレンズ用リアキャップに穴を開け、塩ビパイプを接着した接眼アダプターをカメラの代わりにワンタッチで装着できるようにした。

鏡筒には机の取手と、アルミ厚板にインチねじを切ったものを取り付け、運びやすく、またカメラ三脚に載せられるようにした。

後ろに見えるファインダーは手持ちのタカハシ製 TS-50 屈折赤道儀付属のもの。一時期この赤道儀に同架していたが、鏡面のコントラストが悪いことがわかってからはカメラ三脚専用とし、TS - 50 屈折赤道儀はオリジナルに戻した。


1981.07.30

住之江まで出てメッキの施された鏡面を受け取ったとき社長の中村さんに「できるできる」とおだてられて 200mm の鏡材を購入してしまった。200mm は大きい!

1981.09.09

200mm 鏡材を箱から取り出し、研磨面を決定する。

1981.09.19

第 2 作目に取りかかる。

# 80、回転法にて荒ズリ。約 4 時間作業するが、中央部で約 1 ミリ凹んだだけ。周辺には 2 箇所砂目のついていないところがある。

盤の角取りには # 240 を使用。最初の 3 時間、これを忘れていたため、盤の角に小さな貝殻上のカケがいくつもできてしまった。それにしても 200mm は大変である。100mm とは大違い!

【20 センチ砂ずり】

60 センチ角、厚さ 2 センチ程の板切れに新聞紙を敷きその上でほとんどの作業を行った。20 センチではかなり力が加わるためミラーを囲むように小さな木切れを 3 ヶ所ネジ止めして盤を固定。砂ずりでは水を大量に使うので当初流しで立ってやっていたがのち座って行った。

1981.09.20

# 80 で約 4 時間作業した。中央部の凹みは約 1.5 ミリ(F 9)となった。ここで、# 80 砂 500g を使い切った。ようやく全面に砂目がついた。どうも砂の消費量が多いようで多くは無駄に流れてしまった模様。

1981.09.23

# 80 で約 4 時間作業して荒ズリを終了する。# 80 砂はとうとう 1kg 全部を使ってしまった。焦点距離は計っていないが面の凹み具合(2.2mm)から計算すると 1200mm となり、まずまずである。

# 80 の正味の作業時間は 6 時間。100mm なら仕上ズリまで終わってしまう時間がかかったことになる。

1981.09.26

# 120 砂 350g を使い切ってしまう。どうも効率がよくない。作業時間は 3 時間。鏡面の角取りをやっている間にフチを 3 か所欠いてしまった。

1981.10.03

# 240 で反転ズリ 45 分、順ズリ 75 分の作業を行う。
# 240 は約 60g を使用した。砂穴はまだ多い。

1981.10.10

# 240 にて約 60 分。合計 100g 使った。まだ砂穴があるようだが、これは # 80 のものらしい。

1981.10.17

# 500 にて反転ズリ 30 分、順ズリ 70 分。砂は 20g 使用した。粗い砂穴が残っている。今回は荒ズリの具合が悪かったようである。f.l. は 1270mm。

1981.10.24

# 500 で約 70 分。合計 50g を使用して終了する。

1981.11.07

# 1000 にて反転ズリ 30 分、順ズリ 30 分。



1982.05.19

久々に 200mm 鏡を取り出してみた。残りの作業量は # 1000 にて約 60 分、# 2000 にて約 120 分、ピッチ盤作り、磨きである。夏休みまでには完成させたいが。



1983.02.06

# 1000 で 30 分間順ズリを行う。つぎに # 2000 で反転ズリ 30 分、順ズリ 45 分。これで砂ズリを終了する。

1983.02.09

200mm 鏡の裏にハンドルのための印を付けた。

1983.02.10

200mm 鏡の裏にハンドルをつけた。1mm 位の誤差が出たがこれはハンドルが真円でないことによるものと思われる。

1983.02.11

昼過ぎにアスファルトを溶かし始め、ピッチ盤ができたのが 17 時半であった。
ピッチが硬すぎてポロポロ欠ける。作業にならないので今日は終り。


1983.11.09

磨きを開始するも突っ掛かりがひどい。

1983.11.12

ピッチ盤にミラーを重ね、オケに入れて上から熱湯を注いでみた。ミラーの上には 3kg の重りを乗せて。それでも型合わせ不能。

1983.11.15

ナベに残っている僅かなピッチを溶かし、エンジンオイル(10W - 30)を混ぜたらかなり柔らかくなった。

3 時間ほどで溝切りまで終り、磨いてみたところ突っ掛かりが多少ある。磨き続けていると、30 分を過ぎたあたりからマシになってきた。さらに 2 時間続行。洗ってみてびっくり。鏡周 5 センチ帯は良く磨けているのに中央はスリガラスのまま。

しばらく間を置いて型直しをやり、さらに 1 時間強圧をかけて磨いてみた。またまたびっくり。鏡周 5 センチ帯はほとんど砂目がとれてしまった。中央もけっこう磨けている。型直しと強圧研磨のなせる業か。フーコーテストをやってみると中央部が最も短焦点、外周がその次に短く、中間帯が長焦点ということになった。偏球面の中心に穴ということであろうか?研磨不足によって穴に見えているのか?次に磨く前にハンドルをつけることにしよう。(後記;中央穴は強圧研磨によるものと思われる)

1983.11.16

17 時から約 1 時間磨いてほぼ砂目もとれたので(ここまで 6 時間)引き続き整型にはいる。

中央は小さな穴で、全体的には偏球のようなのでオーバーハングをやってみたが、均一にすればいいものを、一部を集中的にしたために面が滑らかでなくなってしまった。つぎに中心から鏡周にわたるオーバーハングをかけたところ、かなり球面に近くなったのはいいが中央に大きな穴があいてしまった。25 時過ぎなのでもうやめるが、今日は 8 時間でほぼ球面というところ。

最外周約 2 センチ帯が削り過ぎ、中央に 4 センチの穴、中間帯はほぼ平坦。
穴と中間帯では f.l. が約 5 ミリ違っている。

さて、次はピッチ盤中央に穴をあけ(薄く削る)全面磨きをやってからオーバーハングでパラボラ化してみよう。

1983.11.19

今日の作業は 18 時から 25 時半まで。

おおむね 30 分磨いてはフーコーテストというパターンであるが、磨き再開のたびにミラーを熱湯につけて型直しをしないといけない。

一度幅狭ターンアップ+球面という状態までいったので、期待して次に進んだらステップができておまけに偏心してしまう始末であった。

再び全面研磨 15 分とオーバーハング 20 分でおしまい。風呂に入った後テストをするとなんと、球面からパラボラへ進んでいるではないか!中央には穴も山もなく、リング、ステップもない。ただし、ターンアップを伴っている。

f.l. を測ると中央と鏡周との差は 0.5mm。ほぼ球面である。200mm F 6.3 の目標は 3.1 ミリであるから、うまくいけばあと 1 - 2 回の研磨で完成するかもしれない。しかし、ピッチ盤の中央は削ってあるし、辺縁の一部にまったく密着しない部分もある。型直し直後のミラーは 40 ℃くらいあるし、室温は 15 度である。はっきりいってどう磨いたからどういう面になるという予測はできない。次回はピッチ盤の型取りを完璧にし、室温も少し上げてみよう。

疲れているせいか、最後のテストで面が偏球に見えた。

1983.11.23

16 時から整型開始。

2 - 3 回で完成させるつもりが 2 度目のオーバーハングでみごとな双曲面を作ってしまった。

全面磨きを 2 時間やったら中央のとびだした偏球にリングを 3 本伴った面になった。オーバーハングを進めていくうちに内側のリングは消えたが、球面にさしかかるころより外周近くのリングが目立ち始め、パラボラにかなり近づいた状態でもこれがかなりひどい。気分が悪いのでこの凸リングを重点的に磨いたら、今度は偏球に逆戻りしやがった。

パラボラ寸前からはじめて 10 時間磨き、出来上がったのが偏球面とは!正確には偏球、中央穴、角まがり。

次回はピッチ盤の密着をはかりていねいにオーバーハングをおこなうこと。

1983.11.26

鏡、盤とも熱湯に漬けて型直しをしたあと 10 分磨く。妙なひっかかりがあったのでおかしいと思ったがテストしてびっくり。鏡周 3 センチが全く磨かれておらず中央に大穴があいた。修正量は 10mm 以上。案の定、ピッチ盤と鏡面は中央が密着しているのみであった。半ばやけくそで電気ストーブと熱湯で型直し。

1 時間半の全面磨きでかなり回復してきた。ややひっかかりがあったので不安であったが、最終的には鏡周 1 センチのターンアップ、角曲がり、中央に直径 7 センチの浅い穴、中間帯は平坦(やや盛り上がっている)となった。結局前回の終了時と同じではないか。もう 26 時というのに。

次回はピッチ盤の密着に気をつけ、ターンアップ消しとパラボラ化を同時に進めていくことになる。鏡周より穴の底のほうが浅いので(修正量 1.9mm)オーバーハングをかけることができる。

1983.11.27

午後より整型開始。念入りに型直しをやり、オーバーハング。外周 1 / 2 ほどはパラボラになったが、オーバーハングをかけていない中央部も深く掘り込まれている。おかしいなとは思いつつ全面磨きをするが心配したとおり、ピッチ盤の腰折れが著しく、夕方には型直し不能となった。鏡面は双曲面、、、

ギブアップ!いずれ、ピッチ盤の作り直しからやりなおそう。

1983.12.01

室温を 15 度まで上げると、ピッチ盤が柔らかくなり過ぎるようである。
ピッチ盤の老化ではなくて軟化のせいか?

1983.12.08

ピッチ盤を電気ストーブであぶり、熱湯で 100 ℃近くにまで暖めたミラーで、全体重をかけておさえつけた。かなり密着がよくなった様子。

重大発見。これまでミラーを熱湯で加熱する際、オケの底にクサビを置かなかったためミラー背面の温度が相対的に低く、ミラーの曲率半径が長くなったと思われる。すると冷却後、中央部の密着が不良となってひっかかりが生じ、それを避けようとミラーが熱いうちに作業するのでピッチ盤の全周に渡る腰折れが発生したのだろう。

あとは溝を修正して再度型合わせをやり、1 - 2 時間も磨けば偏球になるだろう。
とにかく密着を良好に保ち、ミラー冷却後に作業すること。これさえ守ればあと 1 日で 200mm 鏡が完成するはず!

1983.12.10

15 時より研磨開始。

相当ひどい面になっていたようで、球面近くまでもっていったのはすでに 22 時であった。

オーバーハングを 5 分刻みに行い、球面通過したのは 25 時。そのあとがおかしい。オーバーハングをやっても中央部 2 / 3 のみがパラボラ方向へ向かうだけで鏡周 3 センチ帯の磨きが進まない。ピッチの密着はいいのにいったいこれはどうしたことか?全面磨き 15 分で終了とする。

1983.12.11

今日も昼から夜中まで鏡作を行う。

ターンアップが全然消えないのでピッチ盤の若返りをやったらじつに美しい偏球ができた。オーバーハングにより球面に近づいたので俄然やる気が出てきたが、球面寸前になってから(20 時頃)また進まなくなり、いらいらして強圧研磨したらターンダウンができてしまった。ピッチ盤の研磨層を完全に削り取ってしまい、若返りを完璧にする。

次は全面研磨でターンダウンを消してからパラボラ化しよう。場合によってはピッチ盤作りを要するかもしれん。何回かピッチが溶けるまで火であぶり、型合わせをして盤径を拡げてみよう。それがうまくいかなければ作り直さざるを得ない。

1983.12.12

ピッチ盤をあぶり、60kg(全体重)で抑えつける作業を 4 回繰り返して盤径の拡大を計る。かなり等大に近づいたようだがどうか?周辺部はセリウムがこびりついており、若返りの効果が少ないかも知れない。中央部はほとんどできたての状態に近い。ピッチ層は相当薄く、1mm もない。

1983.12.13

全面研磨。中央部の 1 / 2 くらいが浮いていたが、約 1 時間の作業で 1 / 3 - 1 / 4 までになった。作業後型合わせ。鏡面はかなり極端な偏球もしくは中央山になっているだろう。

1983.12.14

何度か型直しをしながら磨くが、軽いひっかかりがとれない。

1983.12.15

室温 20 度で磨きを 30 分。大体密着したようである。面は予想どおりハデな偏球であった。修正量は 15mm。オーバーハング開始。15 分やって変化なし。
結局 1 時間オーバーハングをやって元のままであった。磨きがかかっていない!

1983.12.21

1 時間ナラシをしてからオーバーハング。アップを消すのに非常に苦労し、球面までもっていったのが 22 時。例によってそこから先がまったく進まない。

25 時をまわったので一旦打ち切り。また明日やってみよう。研磨層はすべて剥離する。現在の鏡面はほぼ完全な球面である。これを全面磨きで偏球に戻すのは惜しいが。

1983.12.22

鏡作を続ける。オーバーハングを加えつつナラシをしたのにやはりターンアップができてしまい、やっと消したと思ったらまた球面でストップ。わけがわからん!

1984.01.28

研磨開始前のテストでは軽い偏球であった。

まず 30 分全面磨き+オーバーハングで偏球が強くなった。つぎにピッチ盤の前後部をミラーで圧し、わざと腰折れを起こして尖った盤面部分(左側)を使ってオーバーハングを 20 分。これで球面をややオーバーした!これでいける!さらにオーバーハング約 10 分で僅かに過修正となったので 1 時間位テストを繰り返したうえですべての作業を完了した。

フーコーテスト上では中央の凹みがやや急であり、これは途中で生じた山を消そうとして掘り込んだためにできたのであろう。周辺部のカーブは滑らかで、光輪が全周を取り巻いている。未だテストに習熟していないため正確な修正量は不明だが、少なくとも 4 ミリよりは大きく、おそらく 5 - 6mm 位であろう。鏡面精度は 1 / 3 - 1 / 5 λということになる。

まとめ 

製作期間:1981.09.19 - 1984.01.28

砂ずり
# 80:1000g・6 時間
# 120: 350g・3 時間
# 240: 100g・3 時間
# 500: 50g・3 時間
#1000: 20g・1.5 時間
#2000: 20g・1.3 時間(# 240 以降は反転ズリ:順ズリ=1:2)

ピッチ盤作り 3 回 整型中の若返り、型直し数回

砂ズリ:18 時間
磨き:5 - 6 時間
整型:4 - 14 時間×13 日間
口径:204mm
焦点距離:1260 ± 5mm
焦点比 6.3

教訓

ピッチは中央に不密着部分ができない程度に硬いほうがいい。

磨きを初めてからでも、ピッチ盤の表層を剥離して熔かし、型直しすることによってピッチ盤の作り直しを避けることができる(単なるズボラなので推奨しない)。そのためにはピッチはある程度厚いほうがいい。硬すぎるピッチにはエンジンオイルを混ぜることによって柔らかくすることができる。

磨きの初期にハンドルが取れてしまい、以後ずっとハンドルなしのままで済ませた。どうせ両手でないと作業できないしハンドルは特に必要ないと感じた。

ミラーの中心にマジックで印をつけて磨いたが、あまり正確に盤と合わせるとリングができてしまう。しかし、これはオーバーハングで消える。

角の曲がりは密着を良くし、スムーズに磨くことによって防ぐことができる。

修正量が進まないのは盤の端が盛り上がっていたため中央が磨かれなかったわけだ。前後の腰折れをわざと作った結果、尖ったピッチ盤・左右の端を使ってうまく磨けた。

球面からパラボラまでは 200mm F 6.3 で正味 20 分以下である。


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