No.043 <丹波>鋸岳から三尾山


1993.12.05.Sun.曇りのち晴れ

メンバー:2FU、不知火、わかた

0700 JR 宝塚駅前に到着。不知火さんとわかたさんが既に到着していた。まもなく 2FU さんが車で到着、我々 3 人をピックアップ。中国道、舞鶴道を走って丹南篠山 I.C. で出る。乗竹付近の空き地に駐車する。

0800 (220m)発 しばらくは車道を東北方向へ。バカ話をしつつ歩く。

「今どきは鉄砲を持った連中がうろついているから気をつけねば」

「いきなりぶっぱなすアホがおるそうや」(実にこの日、この山域で山菜取りの人が誤射殺されている!)

「トラバサミもしかけられているらしい」

0830 高坂集落(240m) 体も暖まり、急登に備えてセーターや上着を脱ぎ身支度を整える。4 人のうち私を除く 3 人は同じズボンを履いている。2FU さんによる「REI」からの協同輸入である。舗装道路は消え、民家の間を縫うように進むと「東鏡峠←左 右→神社」と標示された分岐を見つけた。左へ進む。

今回の先頭は言い出しっぺ・不知火さんのはずだったがなぜか皆私に先頭を行けと言う。妙な雰囲気を感じつつも先頭を歩き出す。しかし私は不知火さんが小声でこぼした「トラバサミ...」を聞き逃さなかった!

沢の形状を成した道は次第に源頭部の様相を呈し、傾斜は増して道は不明瞭となりやがて消える。4 人は思い思いに好きなコースを選んでとにかく上へ登って行く。林の中の落葉が敷き詰められた道は柔らかく雪の上を歩くようである。粉雪が降り出す。

0900 (425m地点)小休止。
0905 発 あっけなく乗越に出た。

0914 東鏡峠着(525m)2.5万図には地名が記載されていない。ここから真っ直ぐ北へ下れば栢野(かやの)である。

【あっさり稜線に出てしまった】

0920 発 これより先、2.5万図には道を示す点線が記載されていない。主目的の薮山万歳突撃の始まりである。

稜線を忠実に辿るのみ。薮はさほどきつくなく(期待外れ)比較的歩きやすいがアップダウンが多い。ときどき露岩が突然出現し、チンポコのような岩があったりして我々のバカ話は一段と盛り上がる。平坦な道がほとんど無く常に登るか下るかである。大変疲れる。

0930 (560mピーク)

0946 (575mピーク)着 概ね薮の中だが時折北側眼下に集落が箱庭のように見渡せ、遥か東には西ヶ岳と三岳、南方には遠く六甲山系が望まれる。
1000 発 相変わらずアップダウンの繰返しである。

1025 鋸岳(606m)着 本日の最高地点。ここまで道標、ビニールテープ等一切なかった。

なるほど名前の由来が分かった。このギザギザの稜線から付けられたのであろう。

昼食大休止。またしても全員が同じ REI のアルコールバーナーを取り出し、卵スープや味噌汁やコーヒーを作っている様子は一種異様である。私はおにぎり 2 個とインスタントカプチーノコーヒー、桃の缶詰。不知火さんが旗を取り出して皆で記念撮影。

【鋸岳頂上】

1120 発 これより先はハイク道があるはずだがなんの、道など全然無い。時折ビニールテープが散見されるだけである。望むところじゃ。

ここから鏡峠までが最もルートファインディングを要する箇所であった。単独なら間違いなく迷っただろうが、私を除く 3 人の読図力は凄い!脚力も凄い。ついて行くのが苦しい。

【道なき道を行く】

【振り返れば西ヶ岳と御嶽】

1211 鏡峠(425m) 小休止。
1230 発 これまでは概ね 600m弱の標高を保った鋸状アップダウンの繰返しであったが、ここからはアップダウンを繰り返しつつも次第に急登になってくる。稜線上には露岩も増えて岩登り風になってきた。しかし私らは登攀用具一式を持っているので恐いものはない。

【三尾山へ向けて最後の登り】

1330 三尾山主峰(585m)着 寸前に偽ピークがあって騙されたが 2FU さんはすでにこれを見破っていた!

本日最後の登りが終わってほっとし、全員がまたもや同じアルコールバーナーを取り出した。
不知火さんが「もう水がない」と言うのでトラバサミの恨みは忘れることにして私の水を分けて差し上げた。

おにぎり 1 個とカプチーノ。頂上には城址跡の石碑があり、地面は芝で幕営出来そうである。桜の樹もあった。テントを担ぎ挙げて宴会・花見と洒落込める。また不知火さんが旗を取り出して皆で記念撮影。

【三尾山頂上】

突然磯釣り用の長靴を履き、釣竿、リールをもったおっさん達が現れて我々の度胆を抜いた。ここは海ではない。なにを釣ろうというのだ?(野性蘭の盗掘軍団であった)

陽光も射しはじめ、体があまり冷えないのでつい長居してしまった。

三尾山には主峰より北に東峰、西峰とあるのだが、例によってかなりのアップダウンを通過せねばならないし、しかも帰りには同じ道をまた歩かねばならない。私らはもうしんどいのだ。
1440 発 来た道を少し戻り、右に折れてやがて林道に入り、佐仲ダム経由で車まで戻る。途中 2FU さんとわかたさんによる植物鑑識の講義を受ける。

1600 パーキング(210m)着

歩行時間 0511
休憩時間 0249
合計時間 0800

5 時間しか歩いていない割には相当疲れてしまった。ペースが速かったのとアップダウンが多かったのが原因であろう。しかし、道無き道を行き、天候にも比較的恵まれ、休憩もゆっくりできて楽しい山行であった。彼らと一緒の山行はいつでも実に楽しい。


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