No.047 <六甲>東お多福山々スキー


1994.02.13.Sun.晴れ

メンバー:2FU、くろそ、ルクラ、わかた、つかさ(4 歳 2 ヶ月)

つかさを積んで出発。わかたさんを拾い、阪急芦屋川へ。くろそ・ルクラコンビが到着していた。2FU さんのランクルはやや遅れる。

芦有道路は芦屋ゲートの手前で早くも凍結している。

東お多福山登山口バス停から少し入り込んだ所に車を停め、早速全員スキーを履いて林道を土樋割へ向かう。
私は皆と違いゲレンデスキーだったので途中からスキーを脱いで担いで歩くことにする。

期待に反して山頂にはあまり雪がない。適当に滑る。

つかさがいないのに気づいて探せば 2FU さんのツェルトの中で寝ていた。この寒いのにええ根性しとるとは親バカか。

【昼寝】

【最後に記念写真】


この雪遊びの言い出しっぺである故わかたさんが書いたレポートを遺族の了解を得て以下に借用します。
     わかた     おたふく山ルクラスキー場

 札幌や小樽の知り合いが言っていた。
”裏山にスキー場があるんだよ。朝、ちょっと市バスに乗って行けば昼御飯の
 前には充分楽しめるんだよ”
これが実にうらやましかった。雪などめったに降らないところに住んでいるた
め裏山でスキーなんて夢でしかなかった。
 ところが、昨日から今日にかけての雪。裏山スキーのチャンスがめぐってき
た。電話で緊急召集!スキー突撃隊が結成された。

【山 名】 東おたふく山 697m
【山 域】 六甲
【日 時】 2月13日(日)
【天 気】 晴れときどき雪
【メンバー 】 2FUさん(山スキーを買ったばかり)
       くろそさん(山スキーと靴を買ったばかり)
       ルクラさん(シールを買ったばかり)
       PLUTOさん (格安ビンディングをつけたばかり)
       つんつん (お子さまプラスキーを買ったばかり)
       わかた  (兼用靴を買ったばかり)

 PLUTOさんのBMWで六甲ハイカーにはお馴染みの駅:芦屋川の駅に到着。駅前
にくろそさんとルクラさんが待っていた。どやどやと大勢の登山客がいるなか
で、昨日買ったばかりというくろそさんの黄色い西沢のスキーエギューは朝日
を受けてひときわ輝く。おはようございます。見れば靴までおニューだ。とて
も半年前、入院しておられた人の行動とは思えない。リハビリにはスキーが一
番という結論に達したのだそうだ。
 しばらくして2FUさんが動く看板ともいえるランクルに乗って登場。彼も
つい先週山スキーを買ったばかり。ありゃりゃ。同じや。どうも同じシーズン
に買うと持ち物が同じになってしまう。選択の余地がないようだ。
 2台の車に便乗して芦有ドライブウエーを目指す。途中、雪のため立ち往生
している車を何台も追い越す。我々はチェーンをシャンシャンいわせ、時には
おしりを振りながらどんどん登って行く。
 が、東おたふく山登山口のバス停までだった。そこから林道が土樋割峠に向
かって延びているが雪が多くて無理だった。
 いよいよ、スキーを履く。スキー歴は長いけどシールは初めてというルクラ
さんも興奮する。
 出発。なれないものでスキーの滑らせ方がわからずバタバタ音をたてながら
進む。それでも上り坂を後退せず進んで行けるシールの威力には一同感激。そ
ばをシールなし普通のスキーのPLUTOさんはハの字登行でガンバルがやがてあ
きらめてスキーを担ぐ。その横をつんつんはつぼあしでタッタタッタと登って
行く。先行部隊は暖かい日差しの中、鳥の声や雪に残された足跡に目を向ける
余裕も出てきた。年に何度かこんな機会に恵まれればよいのにと思う。
 やがて、土樋割峠。ここからは登山道となる。スキーを脱いだ方がよさそう
だけど あえてそのまま突き進む。道が狭くなるとスキーのとりまわしに苦労
する。どれくらいの登りまでシールで対応できるかも経験した(だろう)。
 古いシールを使っていたわたしはなにげなく下りもそのままどすどす行って
しまったのだが新しいシールを買ったばかりの3人はシールが前にはよく滑る
ことを初めて体験。ボーゲンをするほど道幅はないし。3人にとって最初の試
練となった。先行するつんつんは”早くぅー”と叫ぶ。
 雪にまみれつつも、おたふく山に到着。山頂付近にはススキと笹の草原が続
いていて、昼寝をするのに丁度いい山である。目の前には大阪湾が円弧を描き
、梅田あたりのビル街、神戸ポートアイランドから淡路島。はるかに紀州の山
々も見える。眺めもすこぶる良好。この草原が大スロープになっている はず
だった。
 さすがに、南向きということもあって雪は解け始め、土が顔をだしている。
まあ、ちょっと尾根線をはずせばスキーできそうだしよしとしよう(^^)
滑る。いいぞいいぞ。 おわっ。 笹にひっかかって減速。ついで吹き溜ま
り突っ込む。 おお 重い雪だ。 谷に突っ込むぞ! ま 曲がらん。 ドテ
 薮山スキーは半端ではない。これをこなせないと一人前の薮山マンにはなれ
ん。一同しっかり練習するように。ご幼少の頃、竹スキーの名手だったという
2FUさんも今日のスキーはかってが違うらしい。みごとな転倒を披露される
 お弁当の後も練習にはげむ。お昼にいただいたくろそさんのホットウイス
キーがきいてきたかだんだんうまくなってきたような気がする。おとうさんで
あるPLUTO氏がスキーにうかれているのでつんつんはツェルトの中で昼寝:親
がなくとも子は育つ。自立したお子さまである。
 そうこうしているうちにルクラさんが練習するのに適度な斜度と雪量を持つ
斜面を発見。
 ここを おたふく山 ルクラスキー場と名付ける。ただ、このスキー場が使
用できるのは4年に1回もないだろう。そばを あきれたというか、うらやま
しいというかわからない顔をしてハイカー達が通る。
 登っては滑りを繰り返す。だんだん調子がでてきたかなというころ帰宅の時
間が迫ってきた。もう一度、街をゆっくり見おろし、帰路につく。林道をいっ
きに滑って車まで。林道入り口付近の雪は溶け始めアスファルトの黒い色が覗
いていた。
くろそさん、2FUさん新品のスキーをキズだらけにしてしまいすみません
でも、こりずにまた行きましょう。

 わかた


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