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No.117 <北ア>剱岳

1997.07.21.Mon.晴れ

0655 梅田発夜行直行バスにて室堂着 ターミナル前の大きな建物に入ると自販機や食堂があって朝食には不自由しない。人も多い。おにぎり 2 つとお茶、チーズカマボコにて朝食。

0720 室堂発 この建物の階段を上がり、3 階から外に出ると室堂平。エアリアマップを見ながら進むが迷路のようで正しい道を歩いているのかどうか不安になる。塔のような岩に硫黄がこびりついていたり雷鳥がいるらしく人が群れている横を進む。

0800 雷鳥沢 テントが 20 - 30 張り。頭上には御前小舎が見える。人の歩く姿も見えるのでそれらを目標に雷鳥沢を登る。トレーニング不足の天罰てきめん早くもバテた。担荷は僅か 10 kg なのだが。高山植物が沢山咲いていて名前が分からないけれどとにかく撮影しながらのんびり登る。

0900 一休み チーズ蒲鉾とお茶。
0915 発 程なく別山乗越・御前小舎前に出た。
0930 別山乗越 剱岳が正面に見えるが頂上付近のガスがなかなか去らぬ。西へは登り道、東へは「→剣沢」とある。正面の雪渓に踏み跡がありこれが剱御前をトラバースする近道のようだ。こちらへ進む。

【剱岳】

雪渓を抜けたあたりに雪解け水の流れがありちょうど空になったお茶のペットボトルを満タンに。持参の 1.5 リッター水筒には大阪から担いできた「淀川の美味くない水」を捨て「北アルプスのおいしい水」に汲み直す。

1030 剣御前からの道と合流する少し手前、2500m 地点で休憩 おにぎり 2 つ。ここで 36 コマ撮り終えてフィルム交換。
1055 発 稜線上は高山植物が沢山咲いている。

【ハイマツの中に】

【コオニユリ】

【室堂では満開のコバイケイソウもまだツボミ】

しばらく行くとちょっとしたコブがあり、そのコブの向こうからザザッという音と「おーーーーーっ」という叫び声が聞こえた。コブを越えてみれば稜線を踏み外したらしいハイカーが草付きの階段程度の斜面上、稜線から数十メートル下で茫然としていた。幸い怪我はないようでやがて自力で這い上がってきた。あと十メートルも落ちていれば岩にぶつかったかもしれない。その横は急な雪渓である。なんということのない稜線ハイク道なのだがホッとしている下山中に事故が起きやすい見本である。

1125 一服剣(2613m) マップを見ると正面に見えている大きな山は剱岳ではなく前剱のようである。既にかなり疲労しているうえにこれに気づいて精神的に参ってしまった。剱岳は前衛に隠れてしまった模様。
休まず進むと道はやがて土から岩に変わり、斜度も急峻になってくる。ザレからガレに変わり、しっかりした岩場になってくると手を使って進むので案外楽である。このあたり岩の質といい、大山・矢筈ヶ山から甲ヶ山への登りによく似ている。

1230 前剱(2830m) 到着寸前に下山中のハイカー多数とすれ違ったが、ここから剱岳までおよそ 2 時間はかかるだろうとのこと。たまたま並んで歩いていたハイカーはかなりバテている様子で、頂上でも出会わなかったのでこの情報を聞き途中で引き返したのかもしれない。
頂上を示す看板は金属性の綺麗なものでハングル文字が刻まれている。

1245 発 剱岳はガスに巻かれて見えずときおり頂上らしい影が巨大に迫ってあれに登るのかと思うとかなり辛い。
ここから先はザレ・ガレのアップダウンを繰返し、登りは岩登り的になってくる。真新しい鎖が多数あるがなければ困ると思われるものは少数であった。

こんなところにもぽつんと花が。

【山頂付近の孤独】

下ってきた女性ハイカーが雷鳥を見つけたとのこと。どれどれと近寄ると「逃げるからこっちに来ないで」などと言われ、しょうがないので 105mm で撮るが良い写真になりそうにない。北アには何度も来ているがこいつを見るのは初めて。まあ、大きな鳩みたいなもんですな。

【雷鳥】

ペンキマークがあまり目立たず、登りと下りルートが分けられているカニの縦這・横這分岐点では間違えそうになった。少し引き返して登りを示す矢印を見つける。
1340 付近の雪渓で雪を削り水筒へ。今日はよくノドが渇く。
1350 発 しばらく岩を攀登ると十字架のようなものが見えてきた。頂上は近い。

1425 剱岳(2998m)着 あー疲れた。最寄りの小屋までは 2 時間半はかかるのであまりゆっくりする時間がない。頂上に居合わせたのは十名以下だった。

【剱岳頂上にて】

おにぎりやチョコレートなどの行動食で休憩。
幸か不幸かガスのため展望皆無なので携帯電話で自宅、低山徘徊派・あきゆきさん宅、計画書を預けてある 2FU さん宅に連絡を取り早々に下山することにした。
スネイクマンショー・サキサカさんに似た喋り方の人に写真を撮ってもらい早月尾根を目指す。

1455 発 先ほど見えた十字架みたいな道標で早月尾根を確認し下り始める。急峻で鎖も沢山あり足元がザレているので至極ゆっくりと進む。危険箇所を抜けて、、、夕映えの高山植物がキラキラ輝いている。

【星空みたい】

1550 2715m 地点 一休み。頭が痛くなってきた。小便がとても濃い。脱水か高山病か?残り少ない水をがぶ飲みし鎮痛剤のお世話になる。ここから先休憩頻度がますます増える。

早月小屋には下手をすると 18 時到着、などと事態も考えられ、夕食抜きは腹が減るので、考えた末携帯電話で宿泊予約を入れることにした。「今 2700m 付近です、危険箇所は抜けました。遅くなるかも知れませんが夕食も是非よろしく」

1600 発 道は土となりしかし傾斜はまだまだきつい。比較的長い雪渓を滑りどんどん下っていく。

【キヌガサソウ】

2400m 付近から小屋を見つけたときは嬉しかった。100m ごとに休んでいたのが少し元気になって一気に小屋まで駆け下りる。

1720 早月小屋着 テントが 2 張り。テーブルが出ていて声をかけてくれたのが小屋の主人らしい。宿泊の受付を済ませて(2 食付き 7500 円)ドリンクを買いまた外に出る。小屋の主人から剱岳に関する様々な話を聞いた。とにかく富山県を代表する秀峰であるとのこと。
小窓尾根が正面に見え、あれがチンネだニードルだなどと教わる。なるほど険しく美しい尾根である。

【日没の小窓尾根】

 歩行時間 0805
 休憩時間 0155
 合計時間 1000

程なく夕食の時刻となる。畳敷きにちゃぶ台と、良い雰囲気である。宿泊客数は十名程。

指定された部屋は私以外に 1 名だけだった。その方が「大日が見えますよ」と教えてくれたので、3 本目のフィルムを詰めたカメラを持って外へ出る。透明度がよくなく写真の出来は今一つだろう。没する寸前の太陽が雲海を照らし出していた。


1997.07.22.Tue.晴れ

0500 起床 早速食事であるが食堂には僅かに 2 名のみ。他の連中、弁当を頼んで早くも出かけたらしい。こちらは下るだけなので気楽なものである。
0600 早月小屋発 初っ端に道を間違え谷へ下ってしまった。すぐ引き返す。草は夜露に濡れていてズボンがびしょびしょである。道端には美しい植物が見られる。写真を撮りつつのんびり下る。

【花弁にくっついているのは何かの種】

0655 一休み
0700 発 のんびりとはいいつつも傾斜はきつくささっと下れる程ではない。「最も楽かつ早く登れる、あるいは下れる道の条件とは?」などとあらぬことを考えつつ歩く。

0730 一休み トレーニング不足がたたって脚が痛い。疲れも取れていない。チョコピーなど行動食をとる。
0735 発 道は次第に広く、傾斜も緩くなって歩きよい。途中数名のハイカーとすれ違う。今日はどこまでかな?
眼下の川や建物が近くなり、流れの音が聴こえてきた。そろそろか。

0845 910m 地点 一休み。流れの音はますます大きく、里は近い。
0850 発 もう完全にのんびり歩ける道となった。と思ったら尾根は終わった。

0855 840m 早月尾根末端 道路に出た。向こうに馬場島山荘らしい建物が見える。今はシーズン寸前で季節バスの運行がないので山荘からタクシーを呼ばねばならない。

 歩行時間 0240
 休憩時間 0015
 合計時間 0255

0910 車道を少し歩き、取り敢えずタクシーを頼んでから缶飲料を購入。シャツを脱いで乾かしたり、タオルを洗って体を拭いたり。皮肉にも剱岳頂上が見えてきた。空気の透明度は相変わらずよくない。

0945 タクシーがやってきた。こちらはウロウロしていたので迷惑を掛けたようである。富山地方鉄道・上市駅まで 6750 円。

1020 上市駅着
1028 上市駅発

1053 富山駅着 次の雷鳥 30 号は 1207 発である。ヒマなのでステーションデパートをウロつく。ちょっと早いが昼食をとやまかけそばを頼んだら熱い汁・冬仕様がでてきて驚いた。ショーウィンドウには確かに冷製が置いてあったぞ。

1207 富山発 大阪まで 7980 円。ほとんどうつらうつらしていたが湖西線に入って目が覚めた。びわ湖、比良を眺める。
1532 新大阪着


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