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No.125 <中国・岡山>駒の尾山~後山

1998.05.30.Sat.曇りのち晴れ

メンバー:杖、井上(旧すずのこ)

仕事が無事時間内に終わり、指定の時刻に新大阪駅で杖さんと合流。
1306 のひかりは指定席が満席で、ということは自由席も混雑していようからと 1301 のこだまに乗る。新大阪始発でのんびり座れる。車内で早速ヤマの話。杖さんはもっぱら単独で毎週のように歩かれているそうで「もう歩く山がないんじゃないっすか」と尋ねると「同じところばかり歩いてますわ」とのこと。
車内から岡山の井上さん宅に岡山着時刻を連絡する。

1417 岡山着 井上さんより早速 433.00MHzで呼出しがあった。432.96MHzへ移り、指示どおりに構内を歩き、西口で 3 年ぶりの再会である。おや、車が新しくなっている。
本人曰く「パワーステアリングなど要らぬと言ったら今時そんな車はないと断られ、オーバースペックの車になってしまった」そうな。(笑)
野鳥苑へは 2 時間程度かかるらしい。途中、スーパーで夕食(焼肉)と朝食(農協ご飯等)材料を買い出し。宮本武蔵生家というのを見学する。

野鳥苑は海抜 700 メートルほどあって随分涼しい。我々の泊まるスターキャビンは高床式住居のようになっていて板の間約 8 畳。建物の下にはコンクリートで囲われた炊事場がある。

慣れぬ手つきで野菜を切り、炭をおこしてバーベキューの準備。
積もる話をしながら宴会は続く。予想以上に寒さを感じ、カッパを羽織る。
ふと空を見れば雲は晴れ上がり、星が美しい。街灯(?)が邪魔で真面目に見ようと思えば暗いところまで少し歩かねばならない。

満腹になったところで全員部屋に上がり、備えつけのござの上にマットとシュラフを敷く。持ち寄った写真を見せ合いつつ 21 時頃就寝。
スリーシーズンシュラフでは暑かろうと、シュラフカバー、インナーのみしか持ってこなかったのが大間違い。随分寒くてよく眠れなかった。


1998.05.31.Sun.晴れのち曇り

寒くてときどき目覚めては時計を見ていたが 6 時になったのでむっくり起き上がると二人も同時に起きてきた。コンロに火を入れ朝食の準備。

本館まで一旦下り、チェックアウトを済ませてまたキャビンに戻る。駒の尾山へのルートはここから始まるそうな。

0915 野鳥苑発 あまり歩かれていない樹林帯の細道をしばらくは野鳥苑管理下にあるルートを交えつつ登り始める。男女二人で一緒に鳴らすと将来結ばれるという鐘を見る。不気味なのであまり近づかずにおく
野苺を沢山見つけた。黄色い種だが赤みがかって充分熟れた大粒のものは殊にうまい。

【イチゴにかぶりつく杖さん】

林道を離れ、足元が薮で隠れがちな細道をさらに登ると切り開かれた場所に出た。目の前はなんと舗装道路。
1020 林道 車が沢山止まっている。大方はここから駒の尾、後山をピストンする人達のものらしい。
1035 発 影石谷入口と書かれた登山口から登り始める。井上さんはさかんにドウダンツツジを気にしていてようやく見つけたもののほとんど花が終わっている。少し咲いているのを見つけたので撮影する。どれだけ珍しいものか知らなかったが、杖さんによると比良に沢山ある由。

【ちょっと休憩】

1150 駒の尾山(1280m) 傾いたベンチと看板がある。進行方向には避難小屋が見え、そこで休憩とする。さほど空腹を憶えず、ソーセージとビスケットで簡単に済ませ、コンロは後山で使うことにする。
小屋は隅に囲炉裏、L 字型の板張りとなっており結構綺麗である。

奥達也氏という井上さんの知合いが置いたノートがあり、最初のページには綺麗なイラストが描いてある。プロのイラストレーターであるらしい彼のイラストは人気があってよく破って持ち帰られるという。ここのノートも下半分がちぎられていた。
氷と缶コーラを担ぎ上げた井上さんは荷を軽くするためか、我々にさかんにコーラを勧める。(笑)
1220 発 結構アップダウンのある尾根道を行く。お目当てのドウダンツツジは綺麗な花を付けたのが沢山あって井上さん一安心。那岐山が程近く眺められる。

【ドウダンツツジ】

せっかく持って来たのだからと GPS の電源を入れる。目標の山までの直線距離が表示され便利である。あらかじめ入力していた通過ポイントの誤差は数十メートル未満で、安心して使えることを再確認。多少の樹林帯に入っても衛星をロストすることはなかった。歩行速度も出るが速すぎるようであてにならぬ。
縦走路は概ねきつい登りと緩い下りの繰返しである。後山が 1345m であるから登りの方が多く、それほどきつくもないし帰りは下り傾向なのだが出発時刻がやや遅いためあまりゆっくりできない気分。

ネマガリダケが沢山生えている。氷ノ山ほど立派なのは少なく、時期を過ぎていて食べられそうなのはほとんどなかった。良い時期に収穫されたと思われる先端に切り口を持つものが目立つ。

【駒の尾山から後山を望む】

1330 後山(1345m) 岡山県の最高峰。地形図を見ると頂上を含め縦走路は兵庫県との県境になっている。地元ではこの山は岡山の最高峰だとか、否、兵庫県第三位だとかの論争がある由。(笑)

氷ノ山が間近に見える。そう言えば氷ノ山を他所の山から眺めるのはこれが初めてかもしれない。望遠レンズで覗いてみると山頂の避難小屋とコシキ岩が確認できた。尾根伝いにぶんまわしが見えるような気がするが、井上さんによればここからぶんまわ しと鉢伏山は陰に隠れて見えないらしい。少し西には小さなピークが二つ。赤倉山かと思ったが、ぶんまわしルートから外れた別の山だそうな。

【後山から氷ノ山を望む】

西には那岐山が美しく、ただ季節柄大気の透明度がよくないのが残念。大山も見えず。
瀬戸内海も確認できず、かなり遠方に随分高い影が見えるので四国の山かと思うが井上さんによると小豆島らしい。
振り返れば笹の中に道が通る駒の尾山の景色が東お多福山、那岐山に似てなかなかよい。
さて、コンロを取り出してカップ麺を食べているうちに多くのハイカーはいなくなってしまった。やはり時刻が遅いようである。さてボチボチと下山にかかる。杖さんは下りに備えてトレードマークの杖を取り出している。

【後山頂上にて】

1425 発 空が曇り始め、涼しい風が吹く。天気予報どおり。杖さんも時刻が気になるのか寡黙に歩いている。
1530 駒の尾山 避難小屋をパスし、頂上付近の傾いたベンチでしばし休憩。縦走路の急な下りでは結構汗をかくので井上さんの労力、冷えた缶コーラがありがたい。滅多にないパーティ編成なので積もる話もあり休憩が長引いてしまう。
1600 よく整備された広い道を下り、既に車が一台もいなくなった林道広場を横切って細道に入る。ここには札も何もなく、初めての私には朝どこから出てきたのか分からない。
薮に隠れた細道は注意しないと左足をズボッと踏み外してしまう。やがて野鳥苑管轄の林道に出て例の不気味な鐘の横を通り、ほどなく出発点へ帰ってきた。

 歩行時間 0555
 休憩時間 0210
 合計時間 0805

1720 野鳥苑スターキャビン 当初温泉に寄る予定だったが遅くなりそうなので協議の結果まっすぐ帰ることにした。車中、昔のヤマ仲間の近況などに話題が及ぶ。渋滞に遭うこともなく、岡山駅で降ろしてもらい将来の再会を約して別れる。お世話にな りました。

上り新幹線は案外混雑していてなんとか座れたが、四席対向独占というわけにはいかない。弁当など食べていたらすぐに新大阪に着いてしまった。大阪~岡山間は一時間足らずなので比良へ出かける感覚だが、そこから車で二時間となると日帰りはちときつい。


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