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<2003年8月のひとりごと>



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2003年8月26日(火曜日) 曇り
 【今日も蒸し暑い一日でした】
 アストロアーツから早くも StellaImage 4 が届きました。このソフトは天体画像にお化粧をするソフトです。すっぴんでは綺麗じゃないので人に見せられません(笑)。冷却CCDで撮像した画像は人間の感覚やフィルム写真とはかなり異なった特性の画像としてコンピュータに取り込まれます。この画像からブツブツのノイズや望遠鏡の特性の悪い部分の影響、不要な光からの影響など除去します。観賞用画像の場合はさらにフィルム写真に近い特性(人間の感覚に近い)に画像処理して公開します。このソフトは長年の間にユーザの意見が取り込まれていて、しかも最新の技術が実装されているので楽しく作業ができます。

天体画像処理ソフト StellaImage 4
2003年8月25日(月曜日) 曇り
 【蒸し暑い一日でした】
 天の川を特に目当てもなく双眼鏡や望遠鏡で流していくのは楽しいものです。強烈な光を発する明るい恒星、白い煙のような散光星雲、一箇所に星が集中している散開星団などが次々に視野に入ってきます。時々ドキッとする瞬間もあります。新彗星(?)の発見です。彗星に長い尻尾が出るのは太陽にかなり近づいた時で、多くの時は丸いぼーっとした姿に見えるのですが、双眼鏡で捜索しているとそんな姿が時々飛び込んできます。下の写真はそんな天体のひとつで、夏の天の川にある散開星団 M11 です。最初見たときは「彗星だ!!」と思ったのですが、望遠鏡を向けてみるとごらんのとおりでした。眼視観測すると球状星団のように見える大変美しい星団です。この画像は冷却CCDカメラが届いた日の夜撮像したものです。結構良く撮れているでしょう?

M11(散開星団)
2003年8月21日 23時30分ころ撮像
望遠鏡:セレストロン C8 (20cm F10 = 2000mm)
冷却CCDカメラ:BITRAN BT-10
-10度冷却で30秒露出を3枚コンポジット

2003年8月24日(日曜日) 晴れ
 【CCDを冷蔵庫に入れています】
 CCDカメラ(一般のデジカメも同じ)は温度が高いほど、またシャッターの開放時間が長いほど点状のノイズが写りこみます。ためしにデジカメで夜空を撮ってみてください。カラフルな点々が星のようにたくさん写っていると思います。これがノイズです。このノイズをあらかじめ真っ暗な状態で撮像しておいて、あとでこのノイズ成分をコンピュータを使って引き算することでノイズのないきれいな画像が得られます。ということで、現在温度別のノイズ画像(ダークフレームという)を作成中です。BT-10は撮影後自動的にダークフレームを撮って減算処理できるのですごく楽なのですが、ちょっと時間がもったいないので家で必要なパターン分ダークフレームのライブラリを作成しておくことにしました。真夏用に-10度で30秒、1分間、3分間を何枚か撮りコンポジット中です。
 昨夜からやっているのですが、寝不足が続いたのでダークフレーム撮像中に寝てしまいました(笑)。朝起きたら-3度までしか冷えないのでCCDカメラを触ると結構熱くなっていました。仕方ないので冷蔵庫に放り込み冷やしています。これで-30度くらいまで冷えるでしょう。
 高知県地方はこれからしばらく天気が悪くなる予報がされています。 もう撮影する彗星を3つほど選んであるのですがしばらく先になりそうですね。どんな風に写るかな。初めての彗星画像は。

2003年8月23日(土曜日) 晴れ後曇り
 【M56球状星団も撮影できた】
 冷却CCDはその場で成功と失敗が判るところがいいですね。追尾がうまくいってなければ、うまくいくまで調整したりやり直せばよいのですから。とりあえず、1分露出で試していますが、かなり流れてしまうかと思えば完全に追尾できるときもあり、赤道儀が不安定です。赤緯軸モータを取り付けるときに間違って触ってしまった赤経方向のウオームギアのかみ合わせをちゃんと調整した方が良いかもしれません。
 昨夜はほとんど星の見えない曇り空でしたが、それでも観測に行きました。CCDが手に入るとこれまでの態度とは違います(笑)。北極星が見えないので適当に北に合わせ、遠くに見える外灯でピント合わせの練習です。3時間半も粘ってやっと星が見えてきました。時間は23時30分。どうにか白鳥座とこと座の境界付近にあるM56球状星団を撮像しました。やはりこの感度の高さはありがたいです。メシエ天体だったらすぐに全制覇できそうです。もちろん、雑誌のコンテストに入賞するような画像を得るためには大変な努力を要しますが、いまのところ写るだけでうれしいという段階ですから....。だって、いままでは200mmの望遠レンズに写真フィルムで撮影していたので、写るものが少なかったですからね。 


M56球状星団
2003年8月22日 23時55分ころ
望遠鏡:セレストロン C8 (20cm F10 = 2000mm)
冷却CCDカメラ:BITRAN BT-10
-10度冷却で1分露出を2枚コンポジット

2003年8月22日(金曜日) 晴れ
 【冷却CCDで火星の撮影失敗】
 昨夜は初めてCCDで撮像しました(というか、ほとんどはソフトの学習ですが)。記念すべきファーストライトは火星でした。でもその画像はありません。あまりにも明るすぎて、最短露出時間の0.1秒でも真っ白くなってしまいました。減光させるためのフィルターが必要ですね。
 2番目に狙った天体(公開版ファーストライト)はこと座のM57惑星状星雲です。これは以前にフィルム写真で撮影したことがあるので比較ができると思ったからです。そのときの大変な苦労を思い出しながら導入しましたが、なんとあっさりと撮れてしまいました。「CCDの受光面積は小さいので導入が大変だ」という話は良く聞いていたのですが、2000mmの直焦点でも意外と簡単です。接眼レンズを付けて眼視で中央に導入してからCCDに交換します。ピントつまみを右にクイッ、クイッと適当に5回まわす(経験と勘)とパソコンの画面に映る程度までピントが合います。5秒も露出すれば周辺の星がいくつか映るので、今度はパソコンの画面を見ながらピントを合わせていきます。一眼レフカメラのファインダーでピント合わせするあの不可能なほど大変な苦労と比べたら本当に楽です。ピントが合ってなくてもわずか5秒でM57の存在が映るのですから。周辺の恒星だったら1秒で映ってしまい、その高感度には驚くばかりです。
 下の画像は初めて冷却CCDカメラで撮像した天体、M57惑星状星雲です。なんと15等級の天体が明瞭に撮像できていて、16等級も3つほど確認できました。そして非常に淡い惑星状星雲 IC1296 もその存在が写っていることが確認できて感激しています。でも IC1296 の形状まで写しだすには解像度が足りませんね(まあ、いいでしょう)。


こと座のリング状星雲M57
2003年8月22日 23時40分ころ
望遠鏡:セレストロン C8 (20cm F10 = 2000mm)
冷却CCDカメラ:BITRAN BT-10
-10度冷却で1分露出を4枚コンポジット
2003年8月21日(木曜日) 晴れ
 【冷却CCDカメラが我が家にやってきた!】
 8月21日に念願かなって冷却CCDカメラを入手できました。BITRANのBT-10という国産最初(?)の古いものですが、オークションに出品されたものを超安価で落札できました。届いたダンボール箱を開けるときはもう手が震えるほど感動し、ウルウルしてきました。初めて手にとって見た実物の冷却CCD(そう、一度も実物を見たことがなかったのです)の感想は、「おっ、思ったより大きくて重い」でした。真っ黒い放熱板のお化けみたいで、ずっしりと重量感があります。中古品とは信じられないほどきれいです。
 写真の右下の黒い円柱の物体が冷却CCDカメラヘッド(BT-10)です。中央の白い箱が制御用のコンピュータ(BT-100)、右上は一眼レフレンズを使ってRGB合成のカラー画像を得るためのフィルターセットです。

入手したBT-10の写真
(K.Sさん勝手に写真を使ってスミマセン)
2003年8月8日(木曜日) 曇りのち雨
 【台風は過ぎ去りました】
 軌道計算プログラムはそれなりに実用的な機能が動作するようになりました。画面を見てのとおり摂動計算もできます。ただし、大きな3つの小惑星の摂動までは計算できません。下の画面は1つの周期彗星がぐるっと一周する間に9個の惑星(水星から冥王星)の重力影響を考慮して軌道計算した結果の画面です。画面中央上段に軌道要素と軌道要素の平均誤差やいろいろな情報が表示されます。中央下段は観測データとその残差です。画面右端の縦に長いテキストボックスにはその計算期間で各惑星にどれだけの距離まで接近したかのデータとその日付です。これだけの計算をするのにPentium-II 266MHzのコンピュータでわずか5分。人手で計算していたら途中で気が狂ってしまうか病気になってしまいます。コンピュータとは本当にありがたいものです。
 さて、このプログラムを使ってどんどん軌道計算したり、研究しようと思ったのですが、観測データを持っていません。そう、軌道計算とはプログラムがあるだけでは何もできないんです。観測データがなければね。

クリックすると原寸大画像が見られます

2003年8月7日(木曜日) 曇りのち雨
 【嵐】
 火星は嵐になっていないようです。他の人が同じ日に写したCCD画像にはコントラストが弱いながらもちゃんと黒い模様が写っていました。
 それより、こちら高知県が嵐になりそうです。台風10号、中心付近の最大風速40m/sがまもなく高知県を直撃しそうです。でも現在は雨がポツリポツリ降るだけで無風状態です。

2003年8月3日(日曜日) 晴れ時々曇り
 【火星は嵐か?】
 昨夜は川之江天文クラブの3人と芸西天文台のすぐそばで徹夜観測会でした。8月になってもまだ梅雨明けしない雲の多い日が続いているので天気が心配でしたが、奇跡的にと言いたいほど晴れてくれました。ただ透明度が期待したほどではなく、天の川も煙たい感じでした。特に残念だったことは芸西の夜が大変明るかったことです。関さんがよくウェッブページに書かれているように、空全体に街の光が反射している感じで、とても天体写真を撮ろうと言う気にはなれませんでした。
 ということで写真は撮りませんでしたが、その分、のんびりと眼視観測を楽しむことができました。
 今夜の目的はなんと言っても大接近中の火星です。つい数日前、高知市街地から見た火星がただのオレンジ色の球体にしか見えなくてがっかりしましたが、昨夜は気流が非常に良く、白い極冠が鮮明に見られたことに感激しました。極冠のすぐ下の黒い影のような部分も見えましたが、残念ながら本体の模様などはほとんど見ることができませんでした。これはなぜでしょう?下は高度が最も上がる時間の少し前ですが、デジカメを接眼レンズ部分に押し当てて撮像した火星です。上部の白い所が極冠(二酸化炭素が凍ってドライアイスになっているのかな?)です。その下には黒い部分が広がっていることがどうにかわかります。もしかしてまた砂嵐が発生して表面を覆ってしまったのでしょうか?

 火星の最接近は8月下旬ですし、月の光の影響もほとんどないと思うのでまだまだチャンスはあります。なんといっても6万年ぶりの大接近だとか?気流の安定している夏の季節という好条件も重なっているので、今年の夏は夜更かし(早起き)して火星観望を楽しんでみませんか!
[火星の写真]
火星(Mars)
2003年8月3日 1時25分
Vixen 20cm F10(2000mm) シュミットカセグレンで
コリメート撮影

デジカメ:OLYMPUS C-960 ZOOM
102mm  ISO135  F4.4  1/45秒




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星図や天体の軌道図はAstroArts社のStellaNavigator for Windows 95の画面から作成しています。
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