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2011年01月17日

M103と真っ赤な星

 カシオペヤ座にある散開星団M103を写してみました。この星団は結構カラフルで、白い星を中心に、少し青白い星があり、黄色から赤にかけての星が多くあります。


M103(カシオペヤ座の散開星団)

 上の画像を眺めていたら、中央の明るい恒星から真上に向かって半分くらいの位置に真っ赤な小さな点があるので(画面に近付いてよ~く見るとあります)、赤いノイズが残ってしまったなと思って消そうとしたらノイズではありませんでした。異様に赤い恒星でした。ここまで赤い恒星は珍しいような気がしたので明るさと位置を測定してみました。
   赤経:01h 33m 13.97s   赤緯:+60o 45' 35.6"
   光度:16.8等
 何かで有名な恒星かなと思って、位置をもとにネットで調べてみたのですが、とくに情報は得られませんでした。
 そこで、赤いことでは有名なうさぎ座R星を撮影して比較してみました。それが下の画像です。左がM103の中にある赤い恒星で、右がうさぎ座R星です。うさぎ座R星は眼視で眺めると、本当に血のように赤いです。星と言われなければ星とわからないくらい真っ赤です。写真に撮って明るく画像処理してしまうと黄色っぽくなってしまうのでその赤さがうまく伝えられないのが残念ですが。
 下の画像のようにM103にある真っ赤な星もうさぎ座Rに近いくらい赤い星のように見えますね。もっとも研究用のフィルターを使って撮ったわけではないのでいいかげんではありますが。


M103の赤い星とうさぎ座Rの比較

 こうなると、今度は"なぜこんなに赤いのか"についていろいろ調べてみたくなり、「シリーズ現代の天文学 恒星(日本評論社)」などを熱心に読んでいます。宇宙への興味は尽きません。新しいことが分かったらまた記事に書きます。

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2011年01月14日

2011年最初の彗星が発見されました

 1月12日の昼、今年最初の彗星発見情報が届きました。
 彗星名はP/2011 A1 (Larson)となりました。発見の第一報で、すでに周期彗星の符号がついています。
 私も早速軌道を計算してみました。軌道図を下に示します。



 現在のところ7年ちょっとという、かなり短い周期の彗星の軌道が計算できます。火星と木星の間にあって地球の軌道に対して13度程度傾いています。彗星の軌道と言うより、少しずれた小惑星の軌道という感じですね。
 さっそく観測をしなければと思ったのですが、星図上での位置を調べると、しし座の北の方で、深夜2時になると天頂付近(高度70度近く)を通過する位置です。高い所を通過する良い位置なのですが、発見時の光度は19.0等と非常に暗いので、私が観測をしている23時くらいまでには写せそうにありません。日曜日の明け方コースで観測しようかと考えていました。
 しかし、発見が伝えられた日の夜、さっそく関勉先生が芸西天文台で観測されていて、メモリーを私の会社までわざわざ届けてくださいました。
 その画像を下に掲載します。画像処理は私が行いました。中央部をトリミングしています。

[P/2011 A1 (Larson)]
P/2011 A1 (Larson)
2011年1月13日 2時(J.S.T)から
芸西天文学習館 70cm反射望遠鏡
撮像:関勉氏

 上の画像は10分露出の画像4枚を彗星の移動に合わせてコンポジットしたもの(重ね合わせたもの)です。光度は19.3等と非常に暗いので、彗星の尾はよくわかりません。
 彗星と言うと、青白くて、雄大な尾をたなびかせて広い空をゆっくり移動している姿を想像しますが、実は私たちが観測している多くの彗星は上の画像のように貧弱なイメージなのです。こんな貧弱な天体ですが、追跡を続けるにしたがってその軌道が徐々に正確になっていきます。正確な軌道が判明してくると、今度はなぜそんな軌道になったのだろうと次の興味がわいてきます。そうなると今度は如何に精密な軌道計算を行うかということになります。
 今年も、観測と軌道計算で宇宙を追求するという贅沢な活動が幕開けしました!

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2011年01月12日

結構カラフルなM37散開星団

 ぎょしゃ座の散開星団M37を撮ってみました。写野が狭いので(横方向が25'角)ぎりぎり収まっているという感じです。それでも中央部に恒星が集まっているので散開星団の雰囲気は出ています。白い星や黄色い星、所々に真っ赤な星が写っています。双眼鏡で見ると球状星団のように見られるのではないでしょうか。
 この星団は冬の天の川の中にあるので、周辺にも恒星が多く、倍率の低い(視野の広い)望遠鏡の方が美しく見られるはずです。いずれ一般公開の時に、70cm反射望遠鏡ではなく、背中に載っている15cm屈折望遠鏡で眺めてみようと思います。

[M37(ぎょしゃ座の散開星団)]
M37(ぎょしゃ座の散開星団)
芸西天文台 70cm反射望遠鏡 + Nikon D700 3分露出

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2011年01月10日

ゴーストかと思った惑星状星雲

 ぎょしゃ座からふたご座、オリオン座からおおいぬ座、そしてとも座と冬の天の川が淡く流れているのですが、その周辺にはいくつかの散開星団があります。芸西天文台の望遠鏡は焦点距離が5000mmもあるので、散開星団を撮っても、一部分部しか視野に入りきらないので、これまで撮像を試みたことはなかったのですが、今回ちょっと向けてみました。冬の星座にあるメシエ番号の付いた散開星団の多くを撮ってみましたので、何回かに分けて紹介したいと思います。
 今回はとも座にある散開星団M46です。


M46(とも座の散開星団)
芸西天文台 70cm反射望遠鏡 + Nikon D700

 私、この日までM46(散開星団)の中に惑星状星雲があることを知りませんで、この画像を見た瞬間に、「またえらい派手にゴーストが出たなあ」と思ってしまいました(苦笑)。
 ゴーストというのは、非常に明るい恒星の光が鏡やレンズに不要に反射して、実際にはそこに存在しないのに写り込んでしまう光のことです(だからお化けです)。上の画像の上端に青いわっかが写っていますね。芸西天文台の望遠鏡はこのような青と赤の混ざったわっかのゴーストが頻繁に写ります(ゴーストはどの望遠鏡でもある程度出てしまいます)。
 でも、ゴーストにしてはちょっと大きいかなと思って、その場でネットで調べたら、これはゴーストじゃなくて、NGC 2438という惑星状星雲でした(汗)。
 その部分を原寸大にしたのが下の画像です。


NGC 2438(とも座の惑星状星雲)
芸西天文台 70cm反射望遠鏡 + Nikon D700

 冬の空で大気が乱れていて、恒星も星雲もボケボケの画像ですが、かなり明るくは写っています。光度は10等とされています。こと座にある有名な惑星状星雲M57の半分の大きさで、光度は1等ほど暗いです。ざらざらした散開星団の中に、なにか異様な白い雲みたいなものが浮かんでいるという感じで見られるのかもしれません。
 春になったら、一般公開の時にでも眼視で眺めてみたいと思います。

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2011年01月08日

V838 Monをカラーで撮ってみました

 V838 Monが12.2等に増光しているという記事を書きましたが、1月8日にカラーで撮ってみると、見た目では特に増光している感じはしません(下の画像)。
 下の画像の中央にあるオレンジ色の星がそれです。画像でわかりやすいように明るく調整してあるので、オレンジ色になりますが、もっと赤いはずです。眼視観測すれば気持ち悪いくらい真っ赤っかじゃないかと想像しています。2002年に急増光するまでは青白い恒星だったらしいです。いったいどういうメカニズムでこのように変わったのでしょうね?
 今度眼視で眺めてみようと思いますが、12等級とか14等級とかっていうと、70cmの反射望遠鏡をもってしても暗く、なかなか見ることはできないのです。意外と眼視で眺めた人は少ないのではないでしょうか。もし見ることができたらその色などまた記事に書きたいと思います。

[V838 Mon いっかくじゅう座の特異変光星]
V838 Mon(いっかくじゅう座の特異変光星)
芸西天文台 70cm反射望遠鏡 + Nikon D700 3分間露出

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2011年01月03日

V838 Monが12.2等に増光しています

 オリオン座が見やすい季節になりました。深夜0時をすぎるとオリオン座やいっかくじゅう座が最も高い位置に昇ってきます。この冬も恒例のいっかくじゅう座の特異変光星V838 Monを観測してみました。
 下の画像は芸西天文台の70cm反射望遠鏡を使って、15秒露出した画像です。中央の矢印の先にある一番明るい星がそれです。



 この画像からV838 Monの明るさを測定してみました。下の画像は測定中の画面です。
 明るさは12.2等と出ました。そこで「あれ?明るすぎる」と思ってパラメータを変更して測定してみましたが、やはり同じ12.2等と出ました。


画像をクリックすると原寸大画像が表示されます

V838 Monを測定中の画像

 下のデータがこれまでの約10年の光度変化です。

2002年1月以前 16.7等程度の星だったらしい
2002年1月10日頃 10等台への増光が発見された
2002年2月8日頃 6.7等まで急増光
(ここから自分で観測開始)
2003年11月30日 11.1等(20cm Sct + BITRAN BT-10)
2004年12月13日 11.3等(20cm Sct + BITRAN BT-10)
2006年10月26日 12.0等(20cm Sct + BITRAN BT-10)
2007年11月 4日 12.1等(20cm Sct + BITRAN BT-10)
2008年11月26日 14.6等(70cm 反射 + SBIG STL-11000M)
2009年11月15日 14.7等(70cm 反射 + Nikon D700)
2011年 1月 1日 12.2等(70cm 反射 + CCD)

 2002年の急激な増光以来、ゆっくりと暗くなっていたのですが、今回の観測で12.2等まで増光していることがわかりました。1年前に比べて約10倍に明るくなっています。もとの16等級まで暗くなるのかなと思っていたのですが、そう単純ではない感じになってきました。このあとどのように光度変化するのかまったく予想がつかないだけに、興味深くなってきました。みなさんも時々観測してみてください。
 また、この恒星を囲うように存在していた反射星雲はもう写らなくなっています。下の画像は芸西天文台の70cm反射望遠鏡で10分間露出をかけた画像をさらに強い画像処理をしてごく淡い星雲を検出しようとしたものですが、それらしいものは浮かび上がってきませんでした。


V838 Monを取り巻く反射星雲の様子
19.5等までの恒星は写っているが、反射星雲は写らなかった

 恒星が10等級くらいまで増光してくれると、再び星雲も見られるようになるかもしれません。今後も観測は続きます。
 これまでのV838 Monの記事は「V838 Mon(いっかくじゅう座特異変光星)カテゴリー」をご覧ください。

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