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2011年10月24日

月はけっこう早く移動する

 月が移動する様子を撮ってみました。
 月は周囲の恒星に比べて非常に明るいので、月の模様と恒星を同時に撮るためにちょっと工夫をしました。それは月の暗い面(影)を撮るということです。肉眼や望遠鏡で月を見ると、影の部分はほぼ真黒に見えますが、カメラで一定の露出をかけるとちゃんと模様が写るのです。左半分の明るい面がカメラに入らないようにちょっとすつずらして構図を決めました。
 月の右側にいくつか写っている白い点々はノイズではなく、比較的明るい恒星です。月がどんどん東(左)に移動していますが、この間、約4分です。
わずか4分でこんなに移動するんですね。


月が移動する様子(約4分間)
2011年10月20日 0時31分32秒~0時35分27秒(各1秒露出)
月面は影の部分を撮影した
70cm F7反射望遠鏡 + CCD
Copyright (C) 2011 芸西天文学習館(Geisei Observatory)

 上の画像では月はすぐ右側にある恒星から遠ざかっていますが、これが逆だとちょっと面白い現象が見られるかもしれません。
 月面はけっこうデコボコしているのですが、そこに明るい恒星(たとえば3等級程度より明るい恒星)がどんどん近付いてきて、月に隠されるようなことが時々あります。この隠される瞬間を動画で撮像したりすると、面白い光の現象が見られるんじゃないかとちょっと興味を持っています。今回はそんな明るい恒星が近くにありませんでしたが、いずれ機会を見て挑戦してみようと思います。

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2011年10月21日

3億光年かなたのねずみ銀河(NGC 4676)

 今日の画像は、銀河どうしが衝突して原形を留めないほど姿が変わってしまった、『ねずみ銀河』と呼ばれている衝突銀河です。ハッブル宇宙望遠鏡の画像でおなじみになりました。
 下の画像は芸西天文台の望遠鏡が新しくなって、高知県側に引き渡された直後から行っていたテスト撮影時のものです。テスト撮影の時の画像はこれまで公表していませんでしたが、NGC 4676の画像はハッブル宇宙望遠鏡のもの以外にはあまり見かけないので、今回ご覧いただこうと思った次第です。

[NGC 4676 ねずみ銀河]
NGC 4676 ねずみ銀河(かみのけ座の衝突銀河)

 下の画像は原寸大です。
 銀河というより彗星のように写っています。しかし、彗星とは距離が全く違います。彗星の距離は、光の速度でせいぜい6分とか、すごく遠くても30分程度ですが、ねずみ銀河は3億年もかなたの天体です。大きさも比較にならなくて、下の画像の、銀河の明るい部分(2か所あります)の直径だけでもそれぞれ3万光年はあると思います。引きちぎられようとしている尾の上端と下端では38万光年ほどありそうです。
 白い部分は太陽と同じ「恒星」が無数に集まっていて、しかも恒星どうしは衝突しないほど離れているわけです。その大きさは、理屈では理解していても、すぐに実感できるものではありません。
 その規模が徐々に実感できてくるにしたがって、より銀河に深い興味がわいてきます。

[NGC 4676 ねずみ銀河]
NGC 4676 ねずみ銀河(かみのけ座の衝突銀河)
クローズアップ(原寸大)


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2011年10月20日

白黒写真も楽しい(M33銀河)

 半月の強い月明かりの中で、さんかく座のM33系外銀河をわずか30秒露出で写してみました。画面に表示された瞬間、「あっ、藤井さんの本の写真みたいで、かっこいい!」と思ってしまいました。

[M33 さんかく座の系外銀河]
M33(さんかく座の系外銀河)

 藤井さんの本とは、「星雲 星団ガイドブック 藤井旭著 誠文堂新光社」(1971年発売)や、「全天星雲星団ガイドブック 藤井旭著 誠文堂新光社」(1978年発売)のことです。これらの本には何百枚もの天体写真が掲載されていますが、すべて白黒で強い硬調子で印刷されているのです。多くは望遠レンズで撮った感じの視野の広い写真なので、肉眼で星空を眺めた感じに近く、「自分もこんな風に星を撮ってみたい」と強く感じさせるものばかりです。私も構図を決めるための参考に撮影場所に持って行って見ていましたので、夜露などで汚れて汚くなっていますが、いまでも時々眺めて楽しんでいます。
 いまは、高性能な冷却CCDカメラや一眼デジカメが手に入るので、美しいカラー写真が簡単に撮れる時代になりました。インターネット上ではビックリするような高解像の天体写真がたくさん見られます。
 白黒写真なんて....、と思ってしまいますが、上記の古い書籍なんか見ると白黒で決してきれいじゃないのに十分楽しむことができます。これはなぜでしょうね?
 余計な情報がないから自分の好きなようにイメージでき、それが心地よく感じるのかもしれません。映画は見ないけど読書はよくするとか、小説は読まないけど詩は読むとかというのと同じような心理なのかなと考えたりします。
 これからは白黒写真も掲載していきますので、皆さん思い思いに楽しんでいただけたらと思います。

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2011年10月13日

塩塚高原で星見会という飲み会をしました(4)

 4時過ぎころだったでしょうか。しし座の全身が昇っているはずという声で外に出ました。風が穏やかになっていたのでそんなに寒くはなかったのですが、疲れてきていたので車の中で暖房を入れて、双眼鏡片手にしし座方向を狙いました。しかし、うす雲があって、45P/Honda-Mrkos-Pajdusakova彗星の付近が見られません。もうちょっとで見られそうなんだけどなあなど言いながら付近の恒星が出てくるのを祈りましたが、結局晴れることはありませんでした。しかし、28cmシュミットカセグレンでその場所を凝視していた久保さんはどうにか見られたそうです。でも1分も見られなくて、写真撮影はできなかったそうです。最後の眼視による観望のチャンスだったのですが、残念です。次に月の影響が少なくなるころには眼視では難しくなりそうです。
 5時過ぎからはAndroidアプリのToriSat ARでISSの軌道をチェックしていた私が「もうすぐISSが見られますよ」とアナウンスすると、みんな一眼デジカメや望遠鏡を北西の方角に向けてピント調整しだしました。「2分前です」とかって言いながら秒読み開始です。ToriSat ARの画面が「現在通過中」になり、ISSの軌道が黄色で表示されました。その直後、北西の空の比較的高い位置に突然木星かと思うような明るい光が現れました。「あっ、あれだ~」。一斉に撮影開始です。


夕日

 私は展望台と木星とISSを同時に撮りたかったので、木星周辺に向けてシャッターを押し続けました。でも、モニターには木星の姿すら写らず、カメラが壊れたかななんて思いながらシャッターを押し続けました。
 帰ってからパソコンの画面に表示させてみるとちゃんと写っていました。シャッターの扱いが荒っぽかったのでかなりぶれてしまったのが残念です。


塩塚高原展望台と木星とISS(国際宇宙ステーション)
2011年10月9日5時37分

 その時は写っているかどうかわからなかったのですが、ズームにしてそこらへんを手当たり次第に撮りまくりです。


ISS(国際宇宙ステーション)
2011年10月9日5時39分

 写っているか確認できないのでイライラしながら撮っていると、後ろの方で「おお!ISSの形が見える!!」って言うではありませんか。いくら久保さんの目が良いからって、形まで見えるわけないでしょと思いながら振り向くと、なんと28cmシュミットカセグレンをISSに向けて手動で追いかけていました。あんな動きの速いものを高倍率の望遠鏡で手動追尾するなん発想が私にはなかったので驚きましたが、いつまでも驚いていられません。「見せて~~~っ」と走っていき交代!しかし一瞬で視野から出てしまい、再導入は難しく、かなりしつこく追いかけようとしましたが、ついにその姿を見ることはできませんでした。むちゃくちゃ残念です!!ISSの形を見たかったです。
 悔しいので、どんな姿だったのかしつこく聞いて調書をとりました。下がその調書です。イメージと全く異なる変な形状で驚きましたが、本当にこんな形してたんですか?って聞いても、「うん、こんな形しとった」というので、じゃあ、相違無いならここにサインをということで、サインつきとなりました。


ISS(国際宇宙ステーション)を28cm望遠鏡で見た形状
久保氏による

 今度自分の20cmシュミットカセグレン望遠鏡で挑戦してみたいです。

 (もうちょっとつづく)

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2011年10月12日

塩塚高原で星見会という飲み会をしました(3)

 しばらく月を眺めて満足したので、次は食事(飲み会)です。テントはありがたいです。外は風が強いので、体感的には真冬という感じでしたが、テントの中には風が入ってこないし、お湯の蒸気で温かいです。やっと落ち着いて話ができます。
 まずは、体を温めるためにカップラーメン。これは定番です。
 この画像をTweetしたら、某星好き女性から「コンビニメニューパーティーですね」って返信が....。どうにか抵抗しようとしましたが、まさにその通り。次回はコンビニに無い食材を持ってこよう ^_^;


テントの中でカップラーメンを作っているところ
10月9日 19時27分

 テントの中で久保さん持参のノートPCで天体写真や星景写真を見せてもらいながら、星の話や山の話が盛り上がってきた頃、とつぜんバラバラと音をたてて雨が降ってきました。その瞬間、考えることはみんな同じで、テントの外に飛び出して望遠鏡の片づけです。片づけている暇はないので、シートをかぶせましたが、朝になってみると久保さんの8cm屈折望遠鏡の内側が水蒸気で白くなっていました。28cmシュミットカセグレンの中にも水が入っているはずです。シュミカセは接眼部を外して上にして干しておけばすぐ蒸発するのですが、屈折は急いで乾燥させないとカビが生えてきそうで心配です。
 高知市の知人から「こちらは雨が降ってきました」というメールが届いてはいたのですが、塩塚高原はよく晴れていたので、無防備でした。まさか雨が降るなんて.....。山の天気は変わりやすいということでしょうか。


展望台とテントとススキ
10月10日 2時21分

 2時を過ぎたころから再び晴れ間が出てきたので、撮影開始です。月が良い具合に傾いていたので、月とテントとススキを一緒に撮ってみました。ススキが月光に浮かんでいる雰囲気で撮りましたが、実はこれはLEDライトで照明をあてているのです。ポータブルデジカメなので絞りやシャッター速度が指定できず、何十枚も失敗してどうにかイメージに近いものが撮れました。
 眠くなっていたのですが、明け方の45P/Honda-Mrkos-Pajdusakova 彗星を見たかったことと、ISS(国際宇宙ステーション)を撮影したかったので寝ずにがんばりました。

 (つづく)

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2011年10月11日

塩塚高原で星見会という飲み会をしました(2)

 全員が集合したのは日が沈んでからでした。心配になってみんなに電話をかけてしまったのですが、場所間違えてなくて良かったです。
 さっそく、テント張りと久保さんの28cmシュミットカセグレン望遠鏡の組み立てを手伝い、月を見せてもらいました。
 ん~~~、美しい!!
 やっぱり、眼視観望は月が一番きれいです。
 接眼レンズに指を突っ込んだら月に触れそうな気がします。
 月の上(見た目の上)の端に四角い枠とその中に大小のクレータがいくつかある、まるで月面基地でもありそうなイメージに気がつきました。月は満ち欠けするのでその境目は常に光の角度が微妙に変化していることと、わずかにコマ振り運動をしているので、不思議な模様が現れます。見るたびに新たな発見があります。あんな所に深いクレータがあったかなあ?変な所に渓谷みたいなのがある。とか、海と呼ばれている部分が巨大なクレータに見えることもあります。


28cmシュミットカセグレン望遠鏡でコリメート撮影した月
2011年10月9日19時14分

 左の方にも月がネズミかゴキブリにかじられたような部分がありました。写真に撮ると鮮明さが失われまったく綺麗ではありませんが、目で見るとものすごく美しく不思議な模様に見られました。大気の影響で少しだけ波打つのも生々しいです。


28cmシュミットカセグレン望遠鏡でコリメート撮影した月
2011年10月9日19時15分

 月に現れる不思議な模様探しなんか面白いです。
 みなさんも、月の表面をなめるように注意深く眺めてみてください。たくさんの発見があると思います。

 (つづく)

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2011年10月10日

塩塚高原で星見会という飲み会をしました(1)

 10月9日(日曜日)から10日(体育の日)にかけて塩塚高原展望台で星見会という名の飲み会を行いました。メンバーはいつも声をかけてくれる川之江の久保さん、2回目のご対面になる香川県のYさんらとの3人です。
 いつも重装備の久保さんは一番早く着いて準備をしているので、今回は私も早めに行きお手伝いをしようと急ぎました。
 17時前に到着しましたが、知らない人が10人くらいいるだけで誰も来ていません。この間に駐車場から展望台まで歩いて登り写真を撮りました。


展望台から塩塚峰を見る
10月9日 17時7分

 塩塚高原のこの場所はいつも台風みたいな風が吹いています。そんなに気温は低くはないはずなんですが、厚手の長袖シャツだけでは、20分くらいで冷え切ってしまいました。
 ススキの穂がいっそう寒さを誘います。


塩塚峰(右の遠くの山)と夕日に輝くススキ
10月9日 17時19分

 この展望台から遊歩道があり、目の前の峠を越えて向こうに見える塩塚峰まで30分もあれば到達できるらしいです。


夕日

 夕日を撮ったりしていたのですが、誰も来ません。
 
 (つづく)

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2011年10月08日

久万高原天文台で星見会をしました(1)

 9月24日は愛媛星空キャラバン隊、四国天文協会愛媛県支部、川之江天文クラブその他、主に四国の星空愛好家らが久万高原天体観測館に集まりました。高知県側からは無所属の私1人だったと思います。
 ちょっと予定より遅くなって18時20分ころ到着しました。
 下は到着直後の天文館の風景です。
 お天気はこれまでの曇りを一気に吹き飛ばしたような快晴でした。


日没直後の久万高原天体観測館

 まずは、私を呼んでくれた川之江の久保さんたちにご挨拶。私が山に星を見に行くのは久保さんからのお誘いの時が多いです。その後暗い中でテント張りをお手伝い。
 うす明るいうちからドームが開いていて、動いていましたので、一般の人に星を見せていたのだと思います。私たちの観望会は20時ころと知らされていたのでそれまで双眼鏡や星仲間の望遠鏡で観望しました。
 空は快晴。雲ひとつないです。全面素晴らしい星空で、雲と見間違うほどの天の川がありました。双眼鏡で天の川の中を見ると彗星かと思うような多くの散光星雲が見られました。また、西予市のIさんが小型の望遠鏡を出していたので、ギャラッド彗星を見せてもらいました。天の川の中にあって、小さな恒星がぐちゃぐちゃっと寄り集まっている中に、なにかぼ~っとしたものがあるなあという感じでした。7等~8等の彗星を小型望遠鏡で見るのはなかなか訓練が必要ですね。
 20時、やっと時間が来てドームの中へ....。


天文台の入り口

 入り口を左に入るとドームへの階段があります。。


ドームの中での観望会の様子

 すでに観望会が始まっていました。天文台の施設には前に2回ほど来たことがありますが、ドームで観望するのは初めてのことでたのしみでした。
 見た天体は、ギャラッド彗星、M13球状星団、M57惑星状星雲、M20散光星雲、M11散開星団、M31アンドロメダ大星雲、アンドロメダγ星(二重星)、超低空の木星、海王星、NGC 7789散開星団でした。
 解説しているのが中村彰正さんかなあ?なんて思いながら順番に観望しましたが、途中で主催者の竹尾さんが私のことを紹介してしてくださいました(竹尾さんありがとうございました)。
 中村彰正さんは多くの小惑星を発見していますし、彗星の観測でも多くの実績があり、広く知られた人ですが、これまでなかなかお話をする機会がありませんでした。今回はお話の機会を頂き、本当に良かったです。
 また、十年ほど前に天体のホームページで知り合い、何度かメールでやり取りさせていただいた愛媛県のKさんとは思わぬ初対面。竹尾さんから紹介されたときは一瞬キョトンとしてしまいました(嬉しい想定外でしたので大変失礼しました)。

 ドーム内での観望会の後は冷えた体を温めようと、久保さん達が張ったテントにお邪魔しました。寒いので定番のカップラーメンです。テントの中でしばらく歓談。


テントの中(久保さんとIちゃん)

 その後初めてお会いする人たちが集結している所に移動し、記念写真と歓談。その後はそれぞれのグループに分かれて各自が望遠鏡などを設置している場所に分散していきました。
 私は自分の車の荷台をベッドにして眠りました。時々目を覚まして星を見ていたのですが、3時くらいになるとだんだん星が見えづらくなり、ついには霧に覆われてしまいました。たぶん、上空から見たとすると雲海の中に入ったのだと思います。明るくなるまでずっと霧の中でした。
 太陽が出たころから皆さん徐々に帰り始めましたが、私たちはしばらくテントの中で歓談していました。すると、そこに見知らぬ方がたずねて来られました。そこからまた話が盛り上がるのですが、長くなるのでいずれまた。

(つづく)

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2011年10月05日

青い雪だるま星雲の拡大撮影

 芸西天文学習館の70cm反射望遠鏡の眼視観望装置に拡大撮影アダプターを取り付けて、NGC 7662(青い雪だるま星雲)を撮影してみました。下の画像はNikon D700で60秒露出した画像です。眼視で眺めると少し青いかなという感じの、非常に小さな輪郭がはっきりしない感じで見られます。一眼デジカメで撮影すると赤外カットフィルターの影響で赤い成分がほとんど写りません。特にこの天体はもとが青いので一層青く写ります。
 下のオリジナル画像を見ると、「これが青い雪だるま星雲?」って思ってしまいますね。でもこれが眼視で眺めたイメージに近いと思います(色はもっと白っぽいですが)。


NGC 7662 Nikon D700で撮ったオリジナル画像

 上の画像をそのまま掲載するのが誠実というものでしょうが、それでは面白くないので、画像に隠されているデータを解析して、もっと違った姿を引っ張り出してみます。
 下の画像をご覧ください。上の画像と同じものとは思えないほど姿が変わりました。すばらしいお化粧のテクニックでしょ(笑)。
 ハッブル宇宙望遠鏡の素晴らしいカラー画像も、元々はフィルターを使って必要な成分のみを写した、白黒のたいして綺麗じゃない(と思う)画像なんです。それらの画像にどんな情報が埋まっているかを解析して、特徴がわかりやすいように表現しているのです。ですから、同じ画像でも目的によって見た目は全く異なるものになります。
 画像処理とは、人間の目には感じないようなわずかな色や明るさの違いを調べて、目的に応じて画像に表現することを可能にする技術とも言えるでしょう。
 今回の撮影は「どんな風に写るのかな?」という興味本位でしたので、インターネット上にある画像を参考に画像処理してみました。
 本当の姿ってなんだろうと考える良い機会になりました。


NGC 7662(青い雪だるま星雲)

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2011年10月04日

木星の惑星直列!?

 20時ころになると木星が東の空から昇ってくるようになりましたね。
 木星は芸西天文学習館の一般公開では、11月から来年3月まで観望できます。
 木星にはいくつかの惑星が発見されているのですが、そのうちの4個はガリレオ衛星と呼ばれていて、特別に明るく、小さな双眼鏡でも見られるほどです。
 これらの衛星は木星をくるくる回っているので、見るたびに別の位置に見られるのですが、9月11日に望遠鏡を向けてみたところ、4つの衛星すべてが片方に寄っていて、配置が面白いので写真を撮りました。
 このような現象は特別珍しいことではないのですが、たまに遭遇すると得した気分になります。
 なお、木星の惑星が片方に寄ったからと言って、木星の重力が崩れて地球になんらかの異常が起きることは絶対ありませんのでご心配なく。 ^o^/


木星とその惑星

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2011年10月03日

いるか座γ星(二重星)を撮影してみました

 9月28日に、いるか座の明るい二重星を撮影してみました。いるか座は下の星図のような位置にあり、10月上旬の頃だと、20時に南の一番高い位置に昇ります。1月~2月は太陽の方向や低空にあったりで肉眼では見られませんが、その他の季節には見られます。


いるか座と周辺の星座

 今回写した二重星はγ星(ガンマ星)で、下の星図のように覚えやすい位置にあります。


いるか座γ星の位置

 芸西天文学習館(芸西天文台)の眼視観望装置に310倍の拡大撮影アダプタを取り付けてデジカメで撮ってみました。色収差は画像処理によって補正してあります。カラーバランスはウェッブサイトに掲載されている画像を参考に、左の星がオレンジ色に、右の星が青色になるように少しだけ調整してみました。


いるか座γ星(二重星)

 眼視ではどのように見られるか書こうと思いましたが、印象に残っていません。 ^_^; 冷却CCDカメラで観測するときのピント合わせには時々使ったりしますが、眼視では意外と見たことがないかもしれません。
 距離は100光年(946兆キロメートル)と言われているので太陽系のすぐお隣の星と言えます。
 眺めるときは明治時代の終わりころの姿を見ているのだと思うと興味深いでしょう。

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2011年10月02日

海王星を拡大撮影してみました

 このところずっと雲の多い天気なので、一瞬の晴れ間を待ち構えて撮像できる二重星や惑星を撮影しています。
 今回は海王星を撮像してみました。
 海王星は165年で太陽を一周しています。1846年に発見されたので、今年ようやく発見から一公転したことになります。
 下に惑星の配置を示します。中央の白い点が太陽で、その左上にあるオレンジの点が地球です。海王星は水色で示しました。海王星は遠く離れていることがわかりますが、太陽と地球の距離の約30倍の距離(45億キロメートル)にあります。明るさは7.8等なので肉眼で見ることはできませんが、小型の望遠鏡で眺めることができます。芸西天文学習館(芸西天文台)の70cm反射望遠鏡の高倍率で眺めると、青白く冷たそうに鈍く輝く面積を持った姿として見られます。


海王星の位置

 眼視観望装置に拡大撮影アダプタを装着してデジカメで撮影してみました。雲が頻繁に通過したり、いきなり発生するような時は大気の乱れが大きくて、水の中を見ているように乱れます。本当はもっと小さくてピシッとした輪郭のある姿なのですが、まるで彗星のように写ってしまいました。
 色ですが、下の画像は見やすくするために明るめに画像処理しましたので、かなり白めになってしまいましたが、望遠鏡で眼視観望するともう少し青く感じます。


海王星を310倍で拡大撮影

 下の画像はもう少し時間をかけて撮影したものです。強い画像処理を行いましたので、美しい画像ではありませんが、海王星の衛星トリトンがわかります。トリトンは海王星を約6日で一周します。1週間くらい毎日撮影してアニメーションさせると、くるくる回っている様子がわかって面白そうですね。いずれやってみましょう。


海王星と衛星トリトン

 海王星は芸西天文学習館の一般公開で2012年1月いっぱいくらいまでは見られますので、ドームの中で講師に気軽にリクエストしてください。

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2011年10月01日

恒星拡大撮影の色ずれ補正の試み

 いつも芸西天文台では暗い彗星の観測を行っているのですが、満月前後の空の明るい時期は暗い天体の観測ができません。しかし、70cm反射望遠鏡と言う立派な機材を使わないのはもったいないので、今回は二重星や惑星の拡大撮影を試してみました。惑星や二重星などは非常に明るいので空が明るくても影響が少ないのです。
 まず写してみたのははくちょう座のアルビレオという二重星です。この星は肉眼で見ると明るく白い普通の星に見えますが、望遠鏡で眺めると、オレンジ色の明るい星と青色の少し暗い星が並んで見えて、大変美しいことで知られています。


はくちょう座のアルビレオの位置

 70cm反射望遠鏡に拡大撮影アダプターを付けて310倍で撮像してみました。すると青色とオレンジ色の星のイメージなのですが、色ずれが生じています。低空の星を撮像すると(目で見た場合も同じですが)青色と逆方向に赤色がずれる現象が起きます。これは大気による光の屈折が起きるのですが、色(波長)により屈折率が異なるために色がずれるのです。しかし、今回は天頂付近で撮影しているので、大気による屈折ではここまで色ずれは起きないだろうと考え、望遠鏡の光学系によるものかなと、星を中央に正確に導入したり、右上や左下にいろいろずらして写してみたのですが、どれも同じ方向に色がずれました。
 下の画像がその色ずれした画像です。緑の成分が右下に少しずれ、赤い成分はさらに多く右下にずれていることがわかります。


310倍で拡大撮影

 上の画像のままでは美しくないので、どうにかこれを補正する方法は無いものかとしばらく考えていたんですが、良い方法が見つかりました。以下にその方法を説明します。

 まず、ステライメージやPhotoshop、GIMPなどを使って、カラー画像を3色分解します(赤、緑、青の色別に画像を分離する)。ステライメージの場合は[合成]メニューから[RGB3色分解]で可能です。
 分解した画面は下の様になります。


三色分解した画面

 次に分解した画像を使ってRGB合成します。ステライメージだと[合成]メニューから[RGB合成]を選択します。この時に赤、緑、青の各画像の位置を調整することができます。下の画面の場合、青色の画像を基準にして、緑色の画像を少しだけ左上にずらしています。また赤色の画像はさらに大きく左上にずらしています(それぞれXYの値を見てください)。


三色を再合成中の画面

 下の画像が完成画像です。青色の星が綺麗に見られるように調整しましたので、オレンジ色の方は赤い成分が少し左上に寄ってしまいました。
 この方法は万能ではないし、学術用途に使えるものではありませんが、一般の人向けに星の紹介をするためには十分使えそうです。


色ずれを補正した画像
アルビレオ(はくちょう座)

 下は撮影風景です。観測撮像用のベントカセグレン焦点で拡大撮影したところ色ずれが発生したので、眼視観望装置で撮像するとどうなのか試している様子です。同じように色ずれしました。普通はここにカメラを取り付けることはしませんが、レデューサが入って無い分、周辺部まで美しく撮像できました。拡大撮影はここに取り付けた方が良いみたいです。
 これからは、月が明るい夜や雲が多い夜は、惑星や二重星等の拡大撮影をどんどんやっていきたいと思います。


眼視観望装置で拡大撮影を試しているところ


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