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2011年08月15日

話題のベテルギウスを撮ってみました

 2~3週間ほど前から「2012年にオリオン座のベテルギウスが超新星爆発する」というショッキングなニュースが流れていて、結構盛り上がっているわけですが、それなら、生前のベテルギウスを写しておこうと、8月7日の徹夜観測の最後(空はすでに明るくなっていた)に写真を撮り、ついでに動画まで撮りました。
 そのベテルギウスの位置ですが、下の星図をご覧ください。
 現在は明け方空が青白くなる頃、東の空を見ると下の様な位置にオリオン座が昇っています。オリオン座の左上に一層明るく輝くオレンジ色の星。これがベテルギウスです。明るさは0.6等前後(変光星)と非常に明るいので、ほとんどの人は肉眼で明るく見ることができます。赤色超巨星と言って、直径が太陽の数百倍もある有数の巨大星です。


ベテルギウスの位置

 よく、日本人が超新星を発見したというニュースが流れますし、世界ではその何十倍もの超新星が発見されていますが、それらはすべて系外銀河のものです。つまり、私たちの太陽系が属している銀河(ここでは天の川銀河と呼ぶことにします)の中で発生したものではなく、ずっと遠くの銀河の中にある1つの恒星が超新星爆発したものが発見されているのです。ニュースで「M51に超新星が発見された」と言われると、M51銀河の中にある恒星が超新星爆発を起こしたという意味です。ほとんどは何百万光年とか何千万光年ものかなたでの出来事なのです。
 では、私たちの天の川銀河(直径は十万光年程度)の内部では超新星爆発は起こったことがないのでしょうか。
 実はあります。
 まだ天体望遠鏡が発明されてない頃に、肉眼で見られた数個の超新星の記録が残っています。また、記録は残っていませんが、最近の観測データから、遠い昔に超新星爆発したものの残骸であることが分かっているものもいくつかあります。
 それらの多くは現在でもX線天文衛星や電波望遠鏡等で観測され、研究され続けています。小型の望遠鏡を使えば目で見ることができるものもあります。おうし座のM1(かに星雲)です。これは1054年に超新星爆発を起こしたものが残骸として残っているものです。
 では、天の川銀河で発生した超新星爆発はどの程度の距離で起きたのでしょうか。だいたい、3,000光年~7,500光年の距離です。単位を間違わないようによく読んでくださいね。"万光年"と"光年"では1万倍違いますので。

 このように、超新星爆発は遠くは数千万光年、近くなら3,000光年での出来事です。

 では、ベテルギウスはどの程度の距離にあるのでしょうか。
 640光年です!
 わずか640光年ですよ。
 太陽の数百倍もある恒星が、わずか640光年の距離で大爆発したらどんな光景が見られることか。もし夏の間だったら、太陽が2個あるように見られるかもしれません。冬だったら、夜になっても第2の太陽として東から昇り、夕暮れ時のような明るい夜が続くのかもしれません。そのようなことは何万年に一度のことになるわけで、私たちは歴史の証人になるのです。

 そこで、私はその歴史的な瞬間を写せるかもしれないと思い、芸西天文台の70cm反射望遠鏡を向け、310倍に拡大した接眼レンズにデジカメを押しあてて1枚写してみました。
 下の画像がそれです。


ベテルギウスの写真

 まさに、その歴史的瞬間。
 超新星爆発の瞬間の画像......。

 っというのはウソです。

 東の低空だったので、厚い大気が激しく揺らいで乱れているだけです。大気に激しく揺らぐ恒星を1/30秒で写しとめると、こんな姿に写るんです。「超新星爆発の瞬間画像」と言っても十分騙せる画像ですね(汗)。

 下は、ベテルギウスを動画で撮ったものです。動画だと多少安定した姿で写っています。特に異変は無く、いつものベテルギウスです。


 と、まあ、超新星爆発の簡単な説明と、自分で撮ったベテルギウスを掲載しただけでこの記事は終わってしまいますが、ちょっと内容が薄かったでしょうか?

 残念ながら、2012年に超新星爆発が起きるのかどうかを議論できるだけの知識は持っていません。

 しかし、気象衛星からの膨大なデータとスーパーコンピュータを使ったシミュレーションなどを長年研究している天気予報ですら、1週間先はほとんど当たらない(台風の進路は大まかには当たりますね)のが現状ですから、その何万分の一の観測データしかない超新星爆発の予想は、けっして確率は高くないと思うのです。超新星爆発の直後からの研究データはある程度蓄積されて多くの研究成果が出ていますが、爆発する直前のデータなんかあるわけないです(お隣の銀河である、アンドロメダ大銀河でのデータが1~2件あるのかも?)。コンピュータシミュレーションで、すでに分かっている爆発後の現象と、予測される爆発前の現象をうまくつなげるような研究はされているのだと思いますが、まだまだこれからの研究課題だと思います。

 超新星爆発を止めたり、太陽系や地球への悪影響を阻止する技術はありませんので、せめてできることと言えば、怪しい宗教や、怪しげな話題で印税稼ぎをする人たちに、人生を誤った方向に導かれないように注意することでしょうか。

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2008年01月08日

超新星2008Aの発見者「市村義美」さんからメールが届きました!

 2008年の第1号と第2号の超新星を日本の捜索者2人が発見して、今年も気合の入った超新星捜索者の方々の活動が伝えられているわけですが、私もそれに乗じて超新星2008A(市村義美さん発見)と2008B(板垣公一さん発見)を撮像してみました。
 っで、自慢げにトップページに掲載していたのですが、なんと!その超新星2008Aの発見者である市村義美(いちむらよしみ)さんからメールを頂きました。時々「彗星観測日誌」をご覧くださっていたとのこと。これには感激。あまりアクセスのないページなので閉鎖してしまおうかと思っていたのですが、再び更新する元気が出てきました。
 ウェッブページ(ホームページ)を作成していると、ごくまれに"発見者"の称号(?)を持つ人から「見てます」っていうメールが届いたりして驚くことがあります。閉鎖しなくて良かったなあとか、もっとがんばって更新しておけば良かったなあなんて思います。
 みなさん、今年はがんばって更新しますのでよろしくお願いします。
 下は超新星2008Aの正確な位置と光度を測定している画面です。

クリックすると原寸大の画像が表示されます

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2005年08月30日

もうちょっとで超新星発見者だったかな?

 6月30日深夜、国際天文学連合の回報(IAUC 8553)がメールで送られてきました。見た瞬間「あ~~っ!!」と言ってしまいました。内容は6月28日に写したM51(子持ち銀河)に14等級の明るい超新星が発見されたというものです。私はそれより2日前の26日に星仲間と天狗高原で天体観測をやっていたんです。しかもM51をCCDで撮像し、パソコンの画面に映してM51の解説までやってたんです。いつもは銀河を撮像すると保存しておいて、すぐに超新星が写ってないかDSSの画像と比較しているのですが、この日は観望会だったので保存せず次々と銀河を移動していたのでした。保存さえしていれば今頃"超新星発見者"と言われていたのかもしれません。まあ、実際、そういう栄光とすれ違った人の方が圧倒的に多いのでしょうね。
 さて、その超新星を今ころになって撮像してみました。下の画像の矢印の先にある点が超新星 SN2005csです。まだ14.4等の明るさを維持しています。超新星はM51(子持ち銀河)の中にある恒星が大爆発して星の一生を終えたものなんですよ。周辺に写っている星は我々の銀河(天の川銀河)の中にある恒星なんです。我々の銀河の恒星と同じ明るさで写っていることから、その爆発の凄まじさを想像してみてください。

2005年8月27日に撮影。矢印の先に超新星が写っている。


2004年3月19日に撮影。超新星は写っていない。

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2005年02月13日

日本の観測者が活躍しています

 日本のアマチュア天文家が大活躍してますねえ。このところ連日のように日本人の名前が載ったIAUC(国際天文学連合回報)が飛び込んできます。
 板垣公一さんが2月5日に、りょうけん座のNGC 4617で16.7等の超新星を発見しましたが、さらに次の日(2月6日)くじら座の銀河NGC 941に17.4等のかなり暗い超新星を発見しました。板垣さんは昨年もたしか新年早々連続で発見されたはずです。
 昨夜もIAUCが飛び込んできました。2月10日、西村栄男さんがはくちょう座に9.7等の明るい新星を発見しました。
 すばらしいですね。
 これらの発見の後は、主にプロの観測者(天文学者)が大望遠鏡にスペクトル分光装置を搭載して観測したり、電波望遠鏡を含むいろいろな観測装置を用いて研究されます。天文の世界はアマチュアが発見し、その後はプロが研究するというパターンがよくあるのですが、アマチュアとプロがそれぞれの得意技を出し合うことで、宇宙の真実の姿を追求しているのです。
 私も少しでも貢献をしたいと思いながら観測を続けているのですが、どれだけ貢献できていることか??『微々たる貢献でも長年続けていれば大きな成果となる』ことを信じて細く長く続けて行きたいと思います。

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2004年04月16日

超新星 SN2004 bd は写りませんでした

 14日夜は雨が上がり星空が広がりましたが、最初の頃は薄い霧が出たりして望遠鏡がびしょびしょになってしまいました。以前夜露が望遠鏡内部に流れ込み、次の日の観測中に補正板の内側が曇ってしまいお手上げになったことがあります。当夜はタオルを望遠鏡に巻きつけて観測を続けました。露出は追尾精度の関係で1分しかできませんが、わずか1分の間に補正板が白く曇ってしまいます。1枚写すごとに補正板を拭きながらの観測となりました。
 発見されたばかりの明るい超新星 2004 bdを写してみました。系外銀河NGC 3786の中心に近く、1400mmでは分離不可能でした。銀河中心より2ピクセルほど西(右)にあるはずです。2000mmで写そうとしましたが、リングを切断したので、今度は2000mmでピントが合わなくなってしまいました。フィルターボックスを外せば良いのですが、ネジで固定されていて、付け替えるのに時間がかかるので諦めました。

NGC 3786に出現した超新星 SN2004 bd
2004年4月14日 22時
20cm f/6.3(1240mm) + BITRAN BT-10

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